ガムンダ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
果てしない無機の中を旅する素朴な二人の少女 異色のアニメ作品
年齢不詳ですが、主人公二人はタイトルに少女とあるので少女です。
キャタピラの付いたバイクの様な乗り物に乗って旅をします。
(あとで触れますがこれは第二次大戦期に使用された乗り物です。)
その旅でいろんな出来事があるのですが、その舞台設定がこの作品の際立った特徴です。
この世界は、高度な文明を持った文明の痕跡はあるのですが、殆ど生物が居ないのです。
極稀に人と出会いますが、それ以外は植物や動物はもちろん、その死骸なども殆ど残っていない、果てしなく無機的な世界が広がります。
ただし、巨大な建造物があり、一部の機械は機能し続けています。
食糧はレーション(ここではパックに入った栄養補給食の様な物)や芋(我々が知っている芋とは少し違う)などです。
この様な状況になった説明は一切なく、ただ二人はその世界を当然の事として旅をします。
一人は銃を持っていますが何しろ襲ってくる人や野生動物も存在しないので、もっぱら道具として使っています。いくつかの例外を除いては。
どうしてこうなったのか。
滅びたと思われる文明は現代文明に近いですがもっと進んでいる様でもあり、前述の様に古い乗り物に乗っていたりします。
滅びた理由は戦争の様ですが、巨大な構造物の都市はそんなに破壊されている訳でもなく、とにかく不思議な世界です。
巨大都市を作ったのを「古代人」と呼んでいるので、古代人が作った地上に住んでいた現代人が滅びたのかも知れません。
それにしても現実には成りえない世界です。
実際には例えヒトが滅びても地球生命は存続するでしょう。
全ての生き物が去ったあとの地球。
本当の終末に徐々に近づく世界観。
その場に生きる二人の姿に余計な物を全てこそぎ落した時最後に残る人間本来の姿の様でもあります。
なんともうら悲しい作品なんですが、この世界しか知らない二人は結構旅を楽しんでいる様でもあり、鬱推し、お涙推しをしないのがこの作品の良い所です。
不思議で身につまされる、
素晴らしい映像作品だったと思います。
音楽も良いです。
難点を言うと
{netabare}最終回の説明的な回は無くても良かったかな{/netabare}
と思います。
どうでも良いけど惜しかった事は、
序盤で爆撃機の残骸を見つけますが映像にエラーがあります。
見つけた時の画がプロペラが4枚ずつ反対に回る「コントラ式」でしたが乗っかって回した時に全て同じ方向に回ってました。
あそこ反転してくれたら映像映えたのにな。