きらぼし さんの感想・評価
1.6
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.5
状態:途中で断念した
なんですかこれ。
まず言っておきます。私はこの作品を二話までしか見ておりません。たかが二話見たくらいで勝手に評価するなと言う人もあるかもしれませんが、私は戦記物は戦闘シーンがクソなら作品すべては終わりだと考えています。戦記物の一番の見どころは他国との戦争を通じて主人公たちがどうやって成長・変化していくのかです。そこで肝心なのはやっぱり戦闘シーン。他国の強力な軍隊にどうやって立ち向かえるのか、そこから登場人物の変化の分かれ道が見えるのです。
だけど、この作品にはそんな工夫などクソたれもない。一話から突っ込みところが多すぎます。正直に言うと、一話の4分あたりを観た瞬間からクソの匂いがぶんぶんしてました。最初の戦闘シーン。見方はファランクス陣形で敵はそこに正面突破。→ まあ、これだけなら大丈夫です。敵はファランクスの対処法を知らない場合は仕方ないです。しかしです。敵は密集して突っ込むのではなく訓練されてない民兵ごとく散開して突撃。しかも兵力のうち戦車部隊が半分もいる。あの時代の戦車は近代のTANKのようなもの。それをあれほど揃えておきながら粗末に長創兵の正面に突っ込ませる間抜けな敵。
主人公に向かって飛んで来る数百の矢を護衛の妹(?正体が分からん。人物に対する説明なし)が超越した力で一瞬で吹き飛ばす。→ 超越した力に対するツッコミはただの設定だからしないとしても、敵の弓兵。一番後方にいる主人公を狙えるほどの有効射程を持つんだったら初めからファランクスを狙おうよ……
一話の戦闘シーンはこれ一つで全部です。後はキャラたちの説明が待つはずなのに、まともな説明は一切なし。なぜか主人公は電波が入れるはずもない青銅器時代でスマホを使って、変な鏡の前では妹と通話までする始末。なにその鏡。鏡が現代で放つ電波を拾えて共有くれうのか。ここで魔法とかを原子や素粒子などの話に持ち込んで説明するなら設定として納得するかもしれないが、そんなのなし。リアリティ皆無。
後は戦闘で負けた他の部族のおさ(女の子)を妹分にするとなど意味分からないことをするし、最近まで敵だったその妹分のために味方の将たちに切れかかる主人公。全く共感もできず、感情移入もできない。もしその子に惚れたとか、ただ単に女の子が大好きなだけなら理解できるが、説明なし。この子以外にも主人公を父と言う同い年ごろに見える女の子が出てくるんですが、本当訳わからん。
こんな一話だけで降りる理由としては充分でしたが、それでも二話で変わるかもしれないと思い観てあげました。ですが、一話と同じです。戦闘の前に腹が減ったら戦えないとか偉そうに孫子の言葉まで引用しては兵に酒を飲ませたり、前話と同じく戦闘シーンに迫力がない。なにより理解不能だったのは、戦車に乗って突っ込んできた敵の将軍と馬に乗ったヒロインの一騎打ちが始まり、ヒロインが落馬したのに(そこを戦車で突っ込んで押しつぶすとか斬ればいいものを)自分も戦車から降りて剣を交える…… しかもあの将軍からすれば敵陣のど真ん中。そこで戦車を降りる馬鹿がどこにいる。
本当、ここまですら理解に苦しいのにラスト。ヒロインの子は日本刀を持って一瞬で敵将を斬る。……言葉を失いました。どれだけスマホで検索できるからって日本刀は知識だけで作れるものじゃないんですよ。幾つかの歳月を重ねて磨き続けた鍛冶師の集団が持つ職人の技とコツがあったが故に作れた物なのに、鉄の使い方を知り始めた青銅器時代の素人の鍛冶師集団が作れる品ではないんです。マジでふざけんなって。知識と実戦は全く別のものだっていうことをこれの作者は理解できていない。
単にヒロイン可愛いぞをアピールしようとしているだけの作品で、しかもヒロインたちの説明もないからまともにハマることもできない。つまり、ただ可愛いキャラが画面の中で声を発して動いているだけの作品。
もしこれが日常学園物だったら救えようもあったかもしれませんが戦記物である以上救えようはありません。終わりです。