MLK さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:----
無題
キャラクターが死んだり傷ついたりすれば見る側は悲しくなるし、キャラクターが喜びを感じるならば同様に楽しい気分になるのは物語の王道だが、その喜びも悲しみも完全に物語に組み込まれているがために、次の展開が頭をよぎってしまうのはマイナスポイントか、私がひねくれているだけなのか。
本当に狭い狭い世界で大きな話が進むために、あらゆるものに意味を持たせなければないのはセカイ系の常であり、それが上手く折り重なればドライブ感も(人気も)出るのだろうが、どうしてもそれが好きになれない私にとってはただただ主人公一家に都合のいい話だなぁと思うしかなかった。
ただ中盤、主人公のある秘密が明らかになる部分の伏線の張り方だけは見事。
その分、あらゆる意味で終盤にしわ寄せが来ているために一本の話としてはかなり雑に感じられてしまい、夜逃げ同然の置いてけぼりぶりに逆に笑いがこみ上げるほどだ。
泣くためのツール一式(大切な人の死とか、深い心の傷とか、家族愛とか、きれいな絵とか、感動げな音楽とか)は揃っているので、そういう構えで見る人ならば、泣ける一作だろう。