aqua さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
バタフライエフェクト
16話まで見ました。
久しぶりにバタフライエフェクトを思い出しました。
あの映画を見た方はみな感じていると思いますが、リア充おかりんはあの作品の結末を迎えた主人公のようです。
最善を求める、そして最後にそれを手に入れ、諦める。
エヴァンにせよ今作の岡部にせよ、彼らの最善を尽くした。それは疑いようがない。
ただ…それでも理想郷は作れなかった。そんな世界に絶望した。
ただ…その世界を受け入れた。それが「最善であると信じて。」
そんな彼らに魅力を感じざるを得ない。
多くの人間が変えられないものを受け入れる。それは人間として、自らの精神を安定させるために行っている当然の行為です。
二ーバーの祈りなんかも有名ですしね。
だがエヴァンと岡部の違いは周りの人間だ。
それを理解しようとし、それでも主人公に幸せになってほしいと求める人間。
彼らにも苦悩があり葛藤がある。それを丁寧に描いている。
{netabare}
最後のまゆりとの会話が全てを示している。
まゆりは自分を助けるために、岡部が絶望して生きることに耐えられない。
ダルは娘とまゆり、みんなが岡部の苦悩の為に永遠に苦しみ、娘の努力が全て無駄になることに耐えられない。
比屋定は自身に常に苦悩と葛藤、絶望を与えられたが、大好きなクリスが生き返る世界を、岡部が絶望しない世界を捨てられない。
まゆりは織姫がクリスだと言ったが、クリスを助けていたとしてもまゆりのことを考え、同じようになっていたと思う。
というかそれが8話ですしね、ダルたちの発言から8話の世界線オカリンも同じような状態だと推察出来る。
{/netabare}
シュタゲは私をアニメに引きずり込んだ作品の一つだが、ここまでゼロがいい作品になるとは思いませんでした。笑
単体で見る作品ではありませんし、結末も前作である程度分かっています。
だからこそ、この作品の楽しみ方は人の変化、感情。
推理やSF的にどうなるのかという楽しみ方があった前作と違うので、ファンの中には嫌いな人もいそう。
前作以上に「人間」にフォーカスしているものなので、そこが嫌いな人にはお勧めできそうになさそう。
あと各登場人物の性格が微妙に変わっているのが悪改変と呼ぶべきなのか、環境による変化だというべきなのか、この辺りの矛盾を許せないタイプはお勧めできないです。
私は許容範囲でしたが・・・
残り7話でどうなるのか非常に楽しみです。
〈追記〉
{netabare}
最終回まで見ました。
ドラマCDの場面を入れてくれたことが本当に良かった。
懐かしさを感じるとともに、微妙に声色の違うまゆりの声を聞いて、年月を経るということを再確認。
余韻に浸りながら、そもそもこの作品がなぜ人気がないのか考えてみましたが、「行動」と「思考」の差なのではないかと感じました。
シュタゲではオカリンは行動をし続けた。すべてに抗い続けた。
行動の先にこそ答えがあるものだと、シュタインズ・ゲートがあるのだと信じて戦い続けた。
ゼロではオカリンは思考し続けた。すべてを受け入れ続けた。
受け入れること、それだけをひたすらし続けた。
行動こそが無意味だと信じ続けて。
多くの人々は人生の経験則から「行動すること」の重要性を感じている。だからこそゼロのオカリンの在り方を受け入れられない。
そのあたりが人によっては、かっこいいはずのオカリンがこんな人間ではないと感じてしまう。
それが嫌悪感を引き出してしまうのかなとも思います。
{/netabare}