カンタダ さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ファンの期待を当てにして、それを裏切る作品
まず初めてこの作品に触れる人は、観るべきではない。これはファンのために作られた、というよりファンの過去作への思い入れを期待して作られているからだ。そもそも内容の構成が初見ではさっぱりわからないだろう。ここからしてどうかとおもうが……。
作品の内容といえば最初の30分は、テレビで放送された本編から10年前に起こった「サマー・オブ・ラブ」の顛末を描いている。その内容の賛否には触れないが、ここは新しく語られた部分であり、今回新たに描かれた部分でもある。回りくどいいい方だが、それには理由がある。前半の30分、それ以外のほぼすべてが旧作の使い回しで、4:3の画面構成にもまったく手を付けずにそのまま垂れ流しているからだ。
せめて16:9の画面比率に描き直してくれていればまだ納得できた。が、10年以上前の映像をそのまま使ってしまうその無神経に怒りすら覚える。これで映画館まで足を運んで、決して安くない入場料を払って観るファンに対して、なにかおもうところはないのだろうか。完全にファンに甘えきった不誠実な態度だ。
もっといえばこれは詐欺だろう。いってみれば、上だけが本物で下の大半部分が紙になっている札束のようなものだ。これでどれだけ興行収益があったのかは知らないが、これはファンを騙して売り抜け、収益を得る悪しき好例になるだろう。
タイトルがハイエボリューションになっているが、いったいどのあたりがエボリューションなのか。むしろデボリューションだ。