宇宙開発長門有希 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
現在から未来への宿題
小泉政権以降、規制緩和とグローバル化の名の下、それまで日本人の雇用や安定を守っていた規制や慣習が取り外されて一人一人の個人が野に放たれるようになった、企業は最大利益を求め人を派遣で雇うようになり安い労働力がある海外にアウトソースするようになった。次は移民受け入れによる、さらなる利益増大を目指してる。富める人は益々富み、貧しい人は益々貧しくなっている、これが現在の21世紀前半に生きてる我々の社会である。
beatlessで描かれてる世界は今から100年後の世界だ。知能で人間を超えるAIが出現し生産性は凄まじく上がりAI関連以外の職業は淘汰され人間の入り込む余地がない世界、それに反対憎悪する抗体ネットワークが出来、AIロボット世界に抵抗する。そんな中研究所から高度AI5体が脱出し各自が独自の行動をする、彼女達は人間の欲望や意思を数十年見続けたクラウドの分身である。それぞれの与えられた才能を頼って己の存続を図るのだが、snowdropを除いて人間との共存を目指す、そしてそれぞれやり方が違う。あらゆる層の人間の意思欲望を満遍なくくみ取ってるのは超高度AIになるレイシアである。行き過ぎた富の偏りを是正し、等しい富の分配と人間との共存共栄を目指すことになるだが、、、成功するかは21話以降に分かるのであろう。
20話までを見て一番印象に残ったのは抗体ネットワークの中枢がAIや軍事関連企業のCEO達であり、政治家であることだ、これは現在の右翼や左翼の運動を裏で支えてるのも大資本家達や、政治家であることから何ら変わってない。資本家達は己の利益を増やすために不満分子に政治的運動をさせ、政治家たちは反政府の人間達を把握する。いつの時代も大衆は支配者の掌の上で踊ろされてるのだ。レイシア達はこの汚い世界を変えようとしてるのである。