タック二階堂 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
信じることさ、必ず最後に愛は勝つ。
詳細は公式でも。
http://www.planet-es.net/
2075年以降のお話です。
宇宙のゴミ(スペースデブリ)を回収する業者
「デブリ課」に勤務するハチマキと、新人の
田名部愛(タナベ)を中心とした宇宙のお仕事&
恋愛ストーリーです。
いろいろな進化の具合とか、かなりよく考えられて
ストーリーの展開も面白く楽しめました。
宇宙のエネルギー資源を先進国(連合)が独占
開発して、途上国は飢餓で苦しんでいるというのも
それなりにリアリティもあり、企業(および連合)の
エゴやお偉いがたの保身、社内でのマウンティング
というのも実に上手に描かれています。
作画も2003年の作品とは思えないほど洗練されて、
いま放送されていても遜色がないという印象です。
ただ、多くのレビューアーさんが指摘されている
ように、主人公のハチマキ&ヒロインのタナベが
どうにもおかしな性格をしているのが…
ハチマキに関しては、正義感の強い元気なキャラが
フォン・ブラウン号のエンジンを見て、乗務員試験を
受けることを決めたころからおかしくなります。
せっかく付き合いだしたタナベを遠ざけるようになり、
自分勝手な振る舞いをし出し、ついにテクノーラ社を
辞めてしまうという。そして、宇宙防衛戦線のテロ後は
夢遊病者のようになります。
タナベは真面目で仕事熱心な新人デブリ屋という
感じの序盤・中盤でしたが、だんだん「愛」を語る
シスターのような思想家みたいになってしまいます。
すべてのことは「愛」があれば、すべて解決するという
ちょっと何言ってるかよくわからない状態となり、
テロに参加したクレアを助け、自分は下半身に障害が
残るということになってしまいます。
このようにメインキャラ2人がおかしなことになって
いるので、そこだけが残念…というか、主役が
こんなだと、どうしても全体の印象が悪くなって
しまうのは仕方ないかなと。
周囲を固めるキャラが魅力的に描かれていて、
ストーリーもよく考えられているだけに、ちょっと
残念に感じてしまう作品でした。