ひさかた さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
後世に伝えたい傑作。
個人的に1番好きなアニメ。
5クール(全64話)の大作で、ダークな要素もあるが基本的には王道冒険ファンタジー。魅力的なキャラばかりでメインキャラからサブキャラまで丁寧に掘り下げられているため人間ドラマとしても深い。さらにミステリーの要素もある。全体的に完成度の高くストーリーやキャラクター、戦闘シーンなどとにかく秀逸だった。
ストーリーは整合性がとれており、要所要所ではドラマチックに盛り上げてくれる。
1クール目は駆け足気味でそこまで盛り上がらないが、2クール目からは加速度的に面白くなってくる。
特に5クール目の盛り上がりは筆舌に尽くしがたい。
{netabare}ドラマチックと言えば26話でエドが扉をぶち破るシーンは最高に熱かった。
4話のニーナ回は胸くそが悪いが、『錬金術師である前に人間である』という真理との最後のやり取りに繋がるテーマが示されている重要な回だ。最終的に真理の扉を手放すエドと、銀時計=国家錬金術師の地位に縋るタッカーという対比は見事。
1番好きな回は63話。もう何もいらないと満足して逝くグリードや幸せそうな顔をして逝ったホーエンハイム...。どうしようもなく切なくなる回だった。
お父様と真理の会話も良かった。「お前はその答えを見ていただろうに」という台詞の『答え』とは、『対話』をしたり他者を受け入れ協力してきたホーエンハイムやエドたちのことなのかもしれない。{/netabare}
キャラクター描写も秀逸。キャラに血が通っており、ストーリーのためにキャラが動かされるといった印象はなく、キャラが物語を牽引している。
1番好きなキャラはホーエンハイム。彼の生き様には心を打たれた。{netabare} もう1人の主人公という位置付けのキャラだろう。不器用だけど家族を思いやる気持ちに泣いた。{/netabare}
戦闘シーンもハイクオリティだった。特に大総統のそれは出色の出来だった。
OPEDも良曲揃いだ。特に瞬間センチメンタルに関しては曲の入り方がよく、物語を盛り上げるのに一役買っていたと思う。
声優に関しても皆合っていたと感じた。アルフォンス役の釘宮さんが特に良かった。{netabare} 51話のアルとハインケルのやり取りは彼女の熱演もあって泣けた。{/netabare}
他者を受け入れることの大切さや自分の頭で考え前に進むことの大切さを描いた作品だった。
多くの人に見てほしい傑作。