kurosuke40 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
お前が背中を見せる番だ
「夢を与える」というのが正直私にはよくわかってなかった。
スズカやスぺも言葉にしていたことだ。
君が夢を追っているだけだし、
正直私が興味がない分野なら、例えば日本代表だろうが、相手の外国人選手と重きは等しく、別にどちらが勝ってもなーと思うところがある。
でも、それはきっと私がニュースでダイジェストで結果だけを知っていただけで、彼らの背中を見てなかったんだろうなと思った。
夢を与えるというのは、夢が叶うことを示す、だけではなく、
きっと夢に向かって進む背中を見せることだったのでしょうね。
スポ根ものを顧みると、幼子心に植え付けられるのは、
夢自体ではなく、夢を追う人の態度であることが印象に残っています。
ウマ娘で一番印象に残っているのが、レース関連の場面ではなく、
合宿中の監督の「お前が背中を見せる番だ」と叱咤する場面でした。
前に進む原動力は後ろから押すだけではないのだと。後ろと前の両方が必要なんだと。
そのような原動力を与えられたことのある彼女らだからこそ、
「夢を与えれる」選手になると堂々と言え、またその大事さがわかるのだと思う。
また夢を託されることは同時に与えることであると。
スぺにとって夢を託されることは、スぺが勝つという夢を与えること同義で、
監督や敗者の思いを背負えるかというのは、そういうことなのでしょう。
個人的にどこか夢を託すというとネガティブな印象がありましたが、
大船に乗ったつもりで夢を託せと言わんばかりの器の大きいスぺを見ると、
夢を託すのも悪くないように思えてくるものでした。
こういう形でも夢を与えられるんだなと。
スぺとスズカの関係を中心に絞っていて見事な物語でした。
ご精読ありがとうございました。
蛇足
見終わったあといろいろと調べましたが、勝負結果等かなり史実のままだったのですね。
史実に沿う形にしているからこそ、史実を知っている人には現実にはないサイレントスズカの復活がさらに映えたのでしょうね。
OPとかトウカイテイオー等にも触れてるけど、スぺとスズカの関係に絞るストイックさはお見事。
でもトウカイテイオーの話も見たかったかも。
物語としてはアイドル要素は不要だと思うけど、商業的に要ると言われたら、わからんでもない。なんか世知辛い。
ススズって略称なのね。でも、スズカには合わないね。スズカだね。