knightgiri さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「大人」を否定して自ら歩む「子供」もやがては大人になる・・・・・
原作は読んでいません。
地球の資源を食い尽くした人類は、突如現れた謎の怪獣(叫竜)と生存をかけた戦いをする羽目に。しかし、科学技術の進歩の結果「不老不死」となっている人類には種として叫竜と戦う力はもうなかった・・・・そこで人類を守り叫竜と戦うために作られた「子供」達とロボット「フランキス」。その「子供」である主人公の二人、ヒロ♂とゼロツー♀を中心に物語は展開します。近未来SFアニメ大好きな私は満足な内容でした。
SF世界観もしっかりしていて、
・何故人類はこんな事になってしまったのか?
・これから人類は何をしないといけないのか?
・なぜ「大人」を護るために「子供」が闘うのか?
・「子供」が造られた秘密とは?
等々のSF作品としてのプロットもしっかり作られ、説明してくれるので観ていて飽きません。
また2クール23話の本作「遂にクライマックスか?」と思わせたところでドンデン返し、話がぐっとまた広がります。
相応に練られていて完成度は高いSFアニメだと思います。金・時間・労力ふんだんに注ぎ込んだ作品だなと感じました。なのでSFアニメが好きな方は是非見てみてください。
(以下、余談)
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ただですね、アニメ歴が長い私は過去の作品と重なるところが多々ありました。本作はA1Picturesが手掛けた作品なのですが私には以下のアニメの影響を強く受けていると思いました。公開年順に列記すると
1989年 トップをねらえ/ガイナックス (ストーリー、世界観)
1995年 エバンゲリオン/ガイナックス (ロボット・怪獣のデザイン)
2006年 トップをねらえ2/ガイナックス(キャラ、怪獣、ロボット)
2008年 屍姫/ガイナックス (死んだ娘と僧侶が一緒に戦う=フランキスを操る男女の繋がり)
2012年 新世界より/A1Picures (世界が滅んだあとの世界観)
パクったとも思われるこれらを繋ぐものは何か?それは本作の監督、錦織敦史氏だと私は思います。wikiで調べると錦織監督は上記の作品にキャラクターデザインとして制作に関わっているのです。80年代、90年代は下っ端として制作指揮、監督にこき使われ(笑)、作品制作に携わる(私の妄想ですよ)。キャリアを通じて制作に加わり経験を積んで、いつか自分が監督するSF作品のアイデアを練っていたところにぴったりの「原作・脚本」がみつかりこの作品が完成した。そう錦織監督のアニメーターとしての集大成ともいえる作品がこの「ダーリン・イン・ザ・フランキス」なのではないでしょうか。そしてこの作品のテーマである
「大人」を否定して自ら歩む「子供」もやがては大人になる・・・・・
これこそが若い時に上(大人)に価値観を押し付けられた自分(子供)が、「大人」(監督)になってアンチテーゼとして作り上げた作品。そんな印象も受けました。