101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
コーヒーブレイク恋愛アニメ
何かを記録する系の部活動に、身分隠しの禁断の恋愛劇。
いかにも要所でコーヒー一杯と一緒に助言を提供しそうな喫茶店。
事前に得たありがちな設定情報や、放送開始後の皆さんの感想などを拝見していると、
良くも悪くもフツーの恋愛物なのかな?といった感じ。
私はアニメにはどちらかと言うと刺激を求める質。
なので本作も当初は追い掛けてませんでした。
ただ、そんな私にも、刺激物の過剰摂取により酔いが回り、
ここらでスッと心を落ち着けたいと思う瞬間はあります。
そんな折に、ちょっと酔い覚ましにカフェで一服しようか。
といった感じで、やや遅れて立ち寄ったのが本作。
スッと自然に視聴できたのが良かったのか、私は結構、楽しめました。
登場人物たちは各々かなり重たい過去や宿命、秘密などを抱えたりもしていて、
それらをもっと仰々しく爆発させれば、涙腺への直接攻撃も可能だったはず。
でも、そこを本作は、まるでコーヒーに角砂糖やチョコレートでも溶かし込んでいくように、
優しく、じっくりと解きほぐしていく……。
少年が自分で抱えたキモチに気が付いて動き出すまで、周囲はそっと見守ってあげる。
温かい人間関係の描写などから来ると思われる、
派手に感動したくない時に、感動を無理強いしない安心感が本作にはあったと思います。
構成では第三話に助けられた&ポイント回だったと思います。
{netabare} 即ち唐突に多田くん家のメタボで跳躍力あと一歩の飼い猫・ニャンコビッグ視点で
登場人物周辺を観察するニャンコ回。{/netabare}
このアニメにはセリフの行間にも多くのキモチが描かれている。
人物相関図などを整理しつつ、それを拾うためのコツを提供してくれた
貴重な“ピント調節回”だったと思います。
序盤は正直、描かれていたであろう心情も今一つ捉えられず、
やや退屈していましたが、三話を境に、
私も想像が逞しくなり、少年少女らや一部ニャンコの裏に潜んだ
揺れ動く心の一端を読み取れるようになり、作品とも折り合いが付いた感じがしました。
特に、{netabare}見つめ合ったら男女は8秒で恋に落ちる!
というニャンコビッグの恋愛論は良いヒントでした。
第八話にて、二人が星空の下で見つめ合うシーン。私は思わず8秒数えてしまいましたよw
6秒、7秒、8秒……はい!落ちた~!って感じで、
静かにロマンに浸るべきシーンで、一人勝手に盛り上がってしまいましたw{/netabare}
そんなこんなで、それ程激しく心は動かされない。と高をくくりながら、
終盤は割とドキドキしていましたw
ラストについては、{netabare}リアリティ追求した鑑賞法だと納得できないハッピーエンドだったと思いますし、
苦い初恋の経験として締めた方が、より評価が高まったのかもしれません。
ただ、気楽に観る分には、ダメージが残らないホッとできる幕引きだったとも感じました。
覆しちゃマズイ大人の事情より、もう二度と大切な人を失う後悔はしない!
という再三強調された少年のキモチに報いるという点では、筋は通っていた印象です。{/netabare}
全く……私も酔い覚ましに転がり込んだカフェで酔い痴れるなど、呆れる話ですがw
興が乗れば、カフェインでも酔えるのもまた人間。ということでご容赦下さいませm(_ _)m
ホット一息付きたい時なんかにオススメな恋愛アニメです♪