ヒロウミ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
社会風刺に富んだカオスなモノクロワールド。
僕らはみんな生きている。そこに集約された色々な何かを今一度考えてみるべきなのかもしれない。な感じの物語。
SAC無印と同様にゆっくり進んでいく物語は全52話で構成された5,000ピースのジグソーパズル。ゆっくり組み上げっていく様は達成感と完成してしまう喪失感、そして次のパズルを作りたくなる欲求に強く駆られる。途中無くしてるピースがかなりありそうに感じたが大して気にならなかったのが不思議な感覚。
ネット社会での本来ある個の責任の大きさを匿名性をたてに盲目的に希薄化していると勘違いしていることを皮肉ったり政府のありようを皮肉ったりなかなかウィットに表現された物語もなかなか面白く、ヒヨコ並みの脳ミソの私でもその皮肉を理解できるセリフがなかなかのツボでとても楽しめました。色んなところから引用していそうなセリフもまた周回するうえでは楽しみな要素でもある。
が、私はまだ何も調べない。純粋に無知にこの作品シリーズを周回しながら落とし込んでみたくなる魅力があった。面倒になって途中から調べ始めそうだが。
エロも萌えも描写も音楽も派手さはない。それにも関わらずモノクロなのに静と動を感じることができ、キャラクター達には艶を感じる。丁寧な物語とセリフ、演者の技量、邪魔をしないが盛り上げる劇中音楽、構成するもの全てがとても心地よく盛り上げてくれる。
時折作画乱れてるけど外注ですかね?ちゃんと作れよな!
今時の流行りのなんちゃってな商業アニメのようにギラギラコッテリした味でごまかした似たり寄ったりなドングリたちのくせに1,000円もしちゃう割りにバイトが簡単に作っちゃう化学調味料だらけのエセB級グルメのラーメンとは違い、素材の味と技術者の味付けや盛り付けを感じられる「職人」の作った美の和食そのものと言えよう。
ラーメンなんか600円以上払うもんじゃないしそんな金額のラーメンなんざそこそこ上手くて当たり前なんだよなぁ。
できれば6部作ぐらいでゆっくり視聴したかったなぁ。
原作は知らないし興味もないけどこの作品のバランスを整えた制作陣は英断を下したと思う。少佐がズボン履くようになったよ!