たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「デビルマン」の正当な後継者
原作はクライマックス付近らしいが、正直あまり追いかけてはいない。「進撃の巨人」はおそらく、昨今の「異世界ファンタジー」ブームの火付け役であり、「ワンピース」や「NARUTO」で定着してきた基盤を更に深淵へと押し出した。
所謂、物語の「始め」から「終わり」まであらかじめ作者の中で統一されている作品であり、月刊誌でしか成し得ない芸当である。
編集もこういった場合はあまり口を出さずに作者の構想にお任せするという形をとっているだろう。恐らくは初期段階であらかじめ設定、シナリオ、登場人物なども全て計算し、何話でこのキャラクターを出し、何話であのキャラクターを死なせるかなども含めて設計して編集に提出しているはずである。でないと、「あの絵」で企画は通らない。逆に言うと「設定が緻密だったから」掲載されたといっても過言ではない。
それは漫画を映像として「見る」ものではなく、小説や書物として「読むもの」としての判断だろうが、そういう思い切った判断は非常に難しいので編集側も勝負作だったに違いない。
アニメの方は1期、2期、そして3期と原作を忠実に再現するために期間を置いて制作していることから、漫画とアニメがほぼ同時進行(アニメ化は人気が出てからというものの)しているのも本作の特徴であり、結末もアニメスタッフは知っているはずである。
なので原作に思い入れがある方や、海外市場に向けて大々的に売り出すはずであり、本作のヒットにより更に「物語重視」の作品が増えるかも知れない。この漫画がどうなるかでその後の漫画の行く末が決まってくるだろう。
10話まで視聴:原作はほとんど読んでいないので(しかし26巻まで読んでる)ぼんやりとしか覚えておらず、アニメを見て再確認をしていますが、憲兵長ケニーの回想を見たり、リヴァイの成長を見るあたり、この作品は「デビルマン」の正当な後継者であることがよくわかります。(同じ講談社だしね。)しかしながら主人公の存在がほとんど本編に関係なく、大きな世界感の一部の役割でしかないので、そこが少年ジャンプとは違う空気があるのかと思われるのと、たとえ神のような力を手にしても所詮は「人間」であり、「世界の一部でしかない絶望感」が昨今の少年漫画における帰結になっているのも見所の一つかと思います。
ワンピースも神のような超人たちの話ながら、実は「仲間」と支えあわないと生きていけないという真実は共通しており、それがこういった社会的大ヒットにつながっている理由なのかもしれません。