イムラ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
きれいな星空を眺めるのがこの上なく好き、という人に
<2023/10/15 追記>
高校の時に、天文部の合宿で泊まった美ヶ原高原の「山本小屋」に今日泊まります。
楽しみで仕方ない
<2018/7/22初投稿>
星空といえば古来より物語の定番のモチーフ。
現在でも、映画やドラマ、漫画、アニメなどいろんなところで描かれてます。
太古の昔から星空は人にとって憧れや畏怖の対象ですが、その星の輝きが何千万年、何億年前のものもあると 解ってからはよりその神秘性が増したんじゃないでしょうか。
今も星空に魅了される人は数多く、アマチュア天文写真家やアマチュア天文学者なども数知れず。
(科学でこんだけアマチュア専門家の多い分野は他にないと思います)
そこまでいかなくともきれいな星空を追い求める愛好家も沢山いて、流星群の季節になると名所は大混雑という噂も聞きます。
いわゆる天文バカ。
この作品はそんな天文バカの卵たちのお話です。
本作はとある高校の天文部を舞台とした日常が描かれてます。
恋愛の鞘当てや、友情、青春特有の迷いなどもゆるっと描かれてますが、でも日常。
でもいーんです!
天文部の雰囲気味わえれば。
私は高校時代天文部だったのですが、その思い出といえば。
夕方まで寝て、そっからチャリ漕いで河原とか山とか。
シュラフ持ち込んで朝まで流星観測とか、天体望遠鏡や双眼鏡で土星や木星眺めたり。
そして朝焼けをバックにチャリ漕いで家路へ。
夏合宿の定番は長野、山梨の高原。
お金無いからやっすいボロボロのコテージというのもおこがましい木組みの小屋に泊まる。
そこはボロくて危険だからという理由で風呂やトイレは立ち入り禁止。
夕ご飯は(ボロすぎてコテージの中じゃ食べられないので)外でバーベキュー。
夜は晴れてる限りひたすらペルセウス座流星群の観測。
曇ってたらだだっ広いケバだらけの畳の間で朝まで延々と大富豪。
力尽きたら男女雑魚寝。
そして、何より忘れられないのが肉眼で見る夜空の美しさ。
星空って普通に写真に撮ろうとしてもなかなか撮れないんです。
相応の知識があってもちょいちょい失敗する。
そうして苦労して撮った写真も生で視るには遠く及ばない。
人間の眼って凄いんですよ。
真冬の長野・小諸の真っ暗な峠で視た銀河の美しさは忘れられないですね。
空気が澄み切っているから瞬かない。
無限とも思える数の冷たい光の粒が空いっぱいに散りばめられてる。
しん、とそこにある。
空いっぱいに敷き詰められてる。
写真やアニメ、プラネタリウムではなかなか再現できない、肉眼でしか味わえない映像美です。
そんな夜空をまだ視たことない、という人は人生損してると思います。
本作は上に書いた通りというわけではないですが、雰囲気はよくできていて、似たエピソード(というかあるある?)もあり、懐かしい気持ちになってしまいました。
夜空の描写は普通のアニメと比べて素晴らしく精密、 とはとても言えませんが、丁寧に描かれているせいか星に夢中になる登場人物の気持ちに素直に感情移入できた点も◎
天文好きの人にお勧めしたい珍しい作品です。
(注)もともとたいして星とか興味ない人がこの作品見て感動したり、新たに星に興味持ったりするかというとそこはよくわからないのでご注意ください。