pikotan さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
東映アニメらしくて、普通に面白かった。
東映アニメーション60周年記念作品ということで、東映まんがまつりをやってきた、実に東映らしい作品だと思いました。
私的には面白かったです。もっと評価されても良い作品だと思いました。
ただ視聴ターゲットはいまいち分からないですね。キャラデザ的に子供向けなのかな?
物語の中心となるのは、それぞれに悩みを抱えた別の学校に通う中学3年生の女子5人です。
5人は卒業式当日に「時の谷」と呼ばれる、様々な世界の時間を司る一族であるポッピン族が住む異世界へ飛ばされます。
そこでキグルミという謎の敵によって、世界が消滅の危機に瀕していることを知る5人。
世界を救うためには5人の心が合った「奇跡のダンス」を踊る必要があります。
生活環境も性格も違う5人なので初めは心がバラバラでしたが、異世界に飛ばされたことで自分を見つめ直す機会を得て、見事奇跡のダンスを踊ることに成功し世界は救われます。何ともさわやかな青春物語です。
ところがこの作品、いまいち評価されていないですね。
ネットで検索しても総じて評価は辛めで、興行収入も芳しくなかった様子。
恐らくこの作品が低評価なのは、突拍子もない展開にあると思います。
なぜ、あの5人が異世界に召喚されたのか。
なぜ、時の谷が危機に瀕したのか。
なぜ、世界を救うのにダンスなのか。
なぜ、異世界で踊るダンスの曲が日本のアイドル風の曲なのか。
まだまだ細かいこと言い出したらキリが無い、突っ込みどころ満載の作品です。
でも、同じ頃に大ヒットした「君の名は」だって、突っ込みどころ満載だと思っています。
ファンタジー作品の場合、理屈で説明できない部分があるのは仕方ないので、作品を楽しむため細かいことを気にせず頭の中で勝手に補完する、これに限ります。
「君の名は」が大ヒットして「ポッピンQ」がいまいちだったのは、普段アニメを観ない一般人を動員できたかどうかの差だと思います。
ポッピンQなんて訳の分からないタイトルじゃ、一般の人は興味湧かないでしょうから。
アニメ映画の出来として興行収入ほどの差は無いと思います。
しかもこの手の映画の場合、客引きのため主要キャラのCVに有名俳優を起用するのが通常のところ、ポッピンQは声優を使っています。
なぜかヒロインの一人である小湊伊純の母親のCVは島崎和歌子さんですが…。
アニメファンとしてはメインキャラで延々と下手な声を聞かさると、それだけでガッカリすることもあるのでプロ声優の起用は大歓迎ですが、一発勝負の映画としては珍しいですね。
さてこの作品で私が気に入った点は、一つはプリキュアシリーズで培ってきたCGによるダンスシーンです。
TVアニメの場合、通常パートからCGパートになると、いかにもCGで作りました的な作画になることも多いですが、さすが映画だけあって違和感無くCGに切り替わります。ダンスシーンで流れる歌も私好みでした。
最初の方で書いたとおり、なぜアイドル風楽曲?とは思いましたが。
ポッピン族に古くから伝わる伝統民謡みたいな感じの方がリアル感は増すでしょうが、女子中学生が踊るならやっぱりアイドル曲の方が合ってますもんね。
歌うのはQuestyという7人組ダンスボーカルユニット。
ポッピンQのために結成されたユニットですが、活動期間限定だったのが勿体無いほど良い曲歌っていました。
またキャラデザインもお気に入りです。
キャラ原案は黒星紅白さんで、可愛らしい絵柄は作品世界に合っていて、とても良かったです。
物語も私好みのハッピーエンドで良かったです。
尺の都合からか、主人公達が異世界に飛ばされてもすぐに状況を受け入れ物語が進むので、ストレスなく観れました。
ただ、エンディング後に後日談として高校の入学式で5人が出会うシーンまでは良かったのですが、その後に日本に危機が迫っているシーンが映ったときは「えっ終わりじゃないの?」ってなりました。
続き気になるじゃないですか。続編作る予定なのでしょうか。
もし作られたら是非観たいですが、多分作られないでしょうね。