らすと さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
予想以上に良かった
放送当時1話だけ見て、カトレアの衣装にげんなりしてそのうち観ようと放置していた。絵は綺麗なんだけどなんでエロ要素入れてくるかなぁ。この作品には似合わないだろうにって思って。
今回あるきっかけで視聴を再開したのだが、2話以降は面白くて徹夜で一気に観てしまった。特に6話と7話で表現される空や湖の質感が幻想的で素晴らしく、キャラクターの魅力も相まってとても良いストーリーになっている。
{netabare}
ここのレビューでは3話と4話の間でヴァイオレットがいきなり恋文を書けるようになっている点が気になるという意見が多いようだが、個人的には見解が異なる。
主人公の名前がタイトルになっているこの作品、ヴァイオレットの成長譚がメインストーリーとなっているが、この「成長」の主題は自動手記人形として、ではない。軍人としてその他の必要なものを一切見てこなかった主人公が、感情を言葉や態度で表現することを覚え、人間として成長する話だ。
恋文の巧い言い回し等は技術で何とかなる分野なので努力すれば克服できる。
元々学校で文法や語彙は満点を取っていたので得意分野なのだろう。
そこではなく、最初は人形のようだった主人公が話数が進むごとに表情や感情表現がどんどん豊かになっていく点や、相手の心に寄り添うことができるようになっていく点を見てほしい。
まあ、11話で故人の手紙を届けた際に、その場でお礼を言われるシーンなどはちょっとおかしいだろ?と感じたりはしたが。切り替え早すぎだし、守れなかったって言われても家族は意味が分からないだろう。
時代背景と義手の技術レベルが合っていない点も気になる。ただ、そのあたりがどうでも良くなるほどいい話だった。
原作ではギルベルト少佐が生きていてヴァイオレットと再会するそうだが、敢えてアニメでそこを出さなかったのも高評価。死体が見つかってないという時点で怪しいとは思っていたが、あれだけ戦場で頭やら身体やらを撃たれていたのに生きてました、は正直萎える。
まあ、ヴァイオレットがギルベルト以外と愛を育む展開もそれはそれで微妙なのだが。
{/netabare}
まだ観ていない方、泣ける話が好きな方には是非お勧めしたい。