あぱぱ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
命と共存
大人と子供どちらにも理解してもらいたい内容が多く含まれています。
人と獣と国が共存して生きていく物語。
全話50話もある物語ですので最期まで視聴するには
それなりの理解力とエネルギーが必要となっています。
物語は3分割して視聴されるのが負担が少なくなると思いますので
目安として1-14話、15-30話、31-50話で区切られると
物語の理解と整理が出来て、スムーズに視聴できるかと感じています。
全編を通して「親子」「未知への探求」「人と世界」といった
テーマが入り混じりながら展開していきます。
アニメとしての娯楽だけではなく、物語という一つの
人の生き方を描写されている作品ですので、前半の話で共感できなかった
方でも中盤の30話くらいまで視聴されれば、視聴するに値するか
判断できる内容であると私は感じています。
作画は牧歌的なイメージで、自然調和を感じさせるような
柔らかい描写に思えます。
生き物の動きや「目」の表現が、非常に視聴者の気持ちに
呼びかけてくるのが素晴らしいです。
音楽はオープニング&エンディングともに歌詞への想いが
強く感じます。
挿入歌も場面に応じた気持ちがよく伝わってきます。
視聴される機会がありましたら、ぜひ最期まで物語が何を
メッセージしているのか、一つでも多く感じてもらいたい作品です。
家族で視聴されても大丈夫な物語になっています。
(余談)
物語の中で「神」という存在について触れられています。
私は「神対応」という言葉に違和感を感じています。
人として相手を想って決断した判断なのに、偶像である神を
投影させて表現するのはどうかと思います。判断したのは人です。
あえて言うならば、相手を思いやる心を持った人が判断した
「上対応(上に立つ人の判断)」と表現するならば納得ができます。
上に立つ人が、誰のために作ったのか分からない掟により
人々を苦しめる結果になるという教訓はこの物語から強く感じます。
それでも「神対応」と言えるのでしょうか?
現実社会でも、この物語と同じように長い年月で同じ過ちを
繰り返しながら時代は進んでいます。
きっと無くならない現実ですが、人として忘れてはいけない
メッセージを投げかけているのだと私は感じています。