さかまがはら さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
実写映画も見ました
レビューのタイトル通り、先日実写映画も見てきました。実写映画について語りたいこともいっぱいあるんですが、ここでは割愛させていただきます。少し言うなら、キャストのハマり方はピカイチだった。小松菜奈めちゃくちゃかわいいです笑
今さら冬アニメの話かよ!って思った人もいるでしょうが、一言、言わせてください。本当にすんません(春アニメもまだ見てないし夏アニメも当然見てない)。
正直このアニメめちゃ好きです。なにがいいって、JKが45歳のおっさんのこと好きになっちゃうってこと除いたら、非常に現実的な話です。こういうアニメにありがちな、都合のいい展開とか、何やっても許される感はないです。
それを象徴するのが、店長です。この人が恐ろしいぐらいの常識人なんですね。あきらちゃんが店長にアプローチしまくるなか、店長はかたくなに拒み、今の関係壊れないようにします。しかしこれは決して店長が冷たいとかではなく、店長があきらちゃんにとって、1人の大人、ないしは友達であり続けようとした結果なんですね。その大人の役目として、あきらちゃんを導き、背中を押すことをしていきます。そう、あきらちゃんの居るべき場所、陸上の道にですね。同様に、店長もあきらちゃんと話していく中で、小説の道をあゆみ続けるとことを決意させられます。2人は『友達』として、お互いの背中を押しあうんです。あきらちゃんの思いは成就することはないんです。悲しいことではありますが、それこそが店長の意思であり、彼女もそれを理解しています。この、都合のいい両思い展開とかじゃなく、2人を繋ぐのは『友情』でありながらも、どこか切なく、儚いこの関係が、この物語を安っぽくしなく、厚みのある魅力的なものにしていると思います。
学生が出てくるアニメで、しばしばテーマになる青春という言葉。あきらちゃんの恋、友情の描写がいっぱいありますから、彼女の青春が描かれているのは言うまでもないですが、面白いのは店長もまた青春してるってことなんです。いや、してると言うよりは、とらわれている、という言い方が正しいですね。店長は同級生のちひろとの再会で、あのころ、青春を謳歌していた頃の友、そして没頭していたものであり、今も自分につきまとう小説が、45という歳になっても自分のかけがえのない財産であることを認識させられます。そして、同じように、あきらちゃんにも今いる友達、そして陸上を財産にしてほしいと思うんですね。
最終話で、2人がバス停で抱き合うシーンがあります。あのハグには、2人の様々な思いや決意が交錯していることでしょう。2人は決して結ばれません。しかし、お互いに背中を押しあって、自分たちの中にあったくもりをなくすことが出来た彼らの気持ちは、非常に晴れ晴れとしていることでしょう。そう、雨上がりのようにね。なんつって(激寒)。