Dkn さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
NHKの「戦争証言」を思い出すノスタルジックサイバーパンク
橋をわたってはいけないよ
悪い子はことりに連れて行かれるんだよ
[公式サイト]※動画視聴可能
http://iyasakado.com/works/hashi_no_mukou/
『端ノ向フ』はサイバーパンクから派生した
ノスタルジックなSFを世界観として持っていて、
装甲列車や歩行型の戦車など、イイ趣味してます
主人公は長屋地帯で生まれ育った若手記者
幼少のみぎりに消えた友の行方を探るため隠された謎に迫る
“橋ハ端ッコ 坂ハ境ヒ目”
貧民窟、赤色ゲリラ、掃討作戦…、導き出される真実
絵作りや音楽もかなり拘っていて
内容より先にその雰囲気で目を楽しませてくれます
直接的ではないですが刺激的な内容ですので
視聴の際にはお気をつけ下さい
{netabare}
NHKの戦争証言という番組の括りで
戦争を体験した元兵士の方々から
当時の過酷な状況や不名誉な出来事、
無謀な作戦命令など赤裸々に語ってもらえます
度々扱われ、浮き彫りになる南方作戦での食糧問題
究極の飢餓状態の中でトカゲやヘビは勿論のこと、
草や虫まで食べて生きのびるしかなかった環境で
兵は徐々に倫理観を失っていきます
近隣の村を襲って食糧を奪いながら
いつしか仲間割れや殺し合いに至り
あちこちに死体が転がる中
頬や腿をえぐられた死体もあったそうです
作中で謎の薬がズラリと並ぶ部屋で
何か嫌な臭いがすると兵士が言い
物語の最後には薬膳肉団子と称し
記者が追っていた子供たちの行く末が描かれる
胎盤を薬効として使う文化は今だにあるそうな
冒頭で映る薬膳肉団子の文字と“ことり”の言葉
{/netabare}
空気感や内容含め、印象深い作品でありました