Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは、「とどまるか、抗うか― あしたを、選べ」。
本作品は、オリジナル作品だったみたいですね。
「あしたのジョー」連載50周年を記念して制作された作品との事です。
もう50年も経ったんですね…というのが率直な感想です。
もちろん連載当初はこの世に生まれてきていませんが、オリジナルのジョーを子供の頃に見てきた私にとって、強烈な印象として記憶に刻まれています。
何度倒れても立ち上がる…
目標を達成するため、極限まで自分を追い込む…
そしてリング上での全力全開の真剣勝負…
若かりし頃の憧れであり目標だった作品…と言っても過言ではありません。
物語の細かい設定は知りませんでしたが、即視聴を決めた作品でした。
でも背中を押してくれたのはそれだけではありません。
当時の矢吹丈と本作のジョー…
当時の力石徹と本作の勇利…
当時の丹下段平と本作の南部贋作…
そして当時の白木葉子と本作の白都 ゆき子…
立ち位置が似ているだけでなく、容姿までもがソックリなんです。
否が応でもオリジナルのジョーを思い出してしまう設定…
これって最高じゃありませんか…
期待値MAXで視聴に臨みましたよ。
この物語で描かれていたのは、ただのボクシングの試合ではありませんでした。
身体能力を向上させるギア・テクノロジーとボクサーの肉体を掛け合わせた普通のボクシングより遥かに過酷な「メガロボクス」に全てを賭ける男たちの熱い物語が描かれていたんです。
このメガロボクスは肉体を鍛え上げるのも重要なファクターですが、何より大切なのがメガロボクサーが身に纏う「ギア」なんです。
このギアの性能の良し悪しが勝負を左右する大きな要素になっていたのでした。
だからランキング上位のメガロボクサーは、これまで積み上げた戦績と実力に裏付けされた一級品のギアをみんな持っているんです。
だから、メガロボクスの頂点に君臨できるのは、自身が環境に恵まれていること…
世の中には2つの種類の人間がいるんです。
「持っている者」と「持たざる者」の2種類です。
「持っている者」とは、自身の存在を認められている上、先述した恵まれた環境の中で、自分のために懸命に研鑽を積むことができる者…
たゆまぬ研鑽の果てに勝利への道を切り拓ける者…
それでは「持たざる者」とは一体何を指すのか…
自身の存在を認められないばかりか、何もない空っぽの場所で、デタラメな行為を繰り返すことしか認められない者…
だからその日暮らしだってままならない…
これだけ雲泥の差があるんです。
そしてメガロボクスは、「持っている者」の中から最強を決める戦い…
「持たざる者」はスタートラインにすら立たせて貰えないんです。
そしてジョーは「持たざる者」側の人間だったんです。
ですがジョーは南部贋作とチームを組んで「持っている者」に…メガロボクスに挑戦状を叩きつけるんです。
無名のボクサーがメガロボクサーの頂点を決めるメガロボクスに勝負を挑む…
目標は、メガロニア出場権の獲得と…そこで本物の戦いを繰り広げること…
ですがただ挑めば良いという訳ではありません。
順当にランキングを上げていく時間の無いジョーらの取った作戦とは…?
ジョーのリングネームだけ記載しておきます。
「"ギアレス"ジョー」
このリングネームから言えること…
ここから壮絶という言葉が陳腐に思えるほど激アツな戦いの幕が上がったということ…
そして一度上がった幕は、完全に終わらないと下ろせないということです。
ジョーを見るたび、当時のジョーと丹下段平の雄姿が何度も瞼の裏にチラつきました。
メガロボクサーとしての進むべき道を、ジョーらはどの様に歩んでいくのか…
それだけじゃありません。
メガロニアでジョーを待ち構えている男の約束を守るための決意と覚悟…こちらも半端ありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、LEO今井さんの「Bite」
エンディングテーマは、NakamuraEmiさんの「かかってこいよ」
個人的にはエンディングの曲調…ノリが気持ち良い曲だと思いました。
1クール13話の物語でした。
最終話のサブタイトルは「BORN TO DIE」
肉は朽ちても骨は残る。それが生を受けた証となる…だそうです。
この物語のエンディングに相応しい文言だと思います。
視聴して良かったと本気で思えた作品でした。