01oinaris さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
反吐が出るほど甘い愛 その裏側にある鬱屈した闇と狂気の物語
タイトルとキャラだけ見るとほのぼの百合愛
サムネ画像は ただ漆黒の闇に堕ちていく主人公たち
予想通り、ひぐらしのようなギャップ系サイコホラー
本作はかなり視聴者の趣向・耐性に左右される。
鬱系・グロ系に耐性のない人は観るべき作品ではない。
とにかく、だれ一人として正常な大人(高校生含む)が居ない。
家庭環境に問題を抱え、鬱屈し、歪んだ思考と性癖に全ての感情と行動が支配され、
自分の行動だけが正しいと信じている人々
表面上は完璧な主人公・松坂さとう 家庭環境の問題を微塵も感じさせず、
純粋で無垢で容姿端麗…のような人物を演じているが、漆黒の闇の心を内包している
そして歪み軋んで堕ちてゆくその他の登場人物たちと、純粋な心を忘れない幼女・神戸しお
それらの登場人物が織りなす人間模様が描かれた作品である
さとうとしおの依存関係は、客観的に見れば異常で歪んだ関係なのに、
周りがあまりにキ◯ガイじみた人物ばかりなので、
その対比として純粋無垢な愛情のように錯覚してしまう。
明らかにおかしい、間違っている、腐り歪み狂っているのに、
なぜか愛おしい不思議な感覚を抱かせる。
なるほど、これが「愛が純粋に まっすぐに 歪んでいく」ということか。
結局は、ハッピーシュガーライフ。幸せなさとうの人生。
ただ、登場人物たちがここまでしおに拘る理由が釈然としなかった。
{netabare}
確かに、どうしようもなく汚れ崩壊した家庭を生きる人々にとって、
同じような家庭に生きながら、純粋な心を失っていない彼女は天使のように映るのかもしれない。
もしくは、壊れた大人に帰結してしまった自分と、穢れる前の自らの幼少期を重ね合わせ、
彼女を汚れた世界から守りたいという一心なのかもしれない。
ドス黒く濁った心の闇に支配された大人たちにとって
”未だ”心が闇に覆われていない(しかし確実に闇に侵されつつある)幼女は希望の光となりうるのかもしれない。
ただ、だからと言って彼女が狂気の中央で翻弄される必然性がわからない。
{/netabare}
しおは魅力的ではあるが、周りの人間を狂わせるような魔性の魅力を感じるわけでもない。
いや、初めからみんな狂っていて、そこにしおが加わっただけなのか?
この点をもっとクリアにして、視聴者の腑に落ちるようなストーリー展開ができていれば、
もう少し本作を楽しめたのかもしれない。
とにかく、鬱・ヤンデレ・ホラー・犯罪のストーリーが嫌な人は絶対に見ないほうが良い。
本作はまともな人間が一人もいない、ある意味狂気の沙汰オンパレードです。
{netabare}
いや、まともな人間は一人いたけど…唯一無二の良心がね…
そこさえも無残な結末にするという本作…救いようがない。
第9話のラスト、なぜか私の頭の中では
「かなぁ〜し〜みの〜 むこ〜う〜へと〜」
て挿入歌が流れていました。
{/netabare}