二足歩行したくない さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
Ωまでの作品に比べるとストーリー性があり見やすかった
GUNDAM EVOLVE 第3集にして最終巻(現時点で)。
5本収録されている内、7分から8分の作品が4本、最後の作品だけ15分弱あります。
Ωまでの作品に比べるとストーリー性があり見やすかったかなと思いますが、ガノタを挑発するような物議を醸す作品が多く、視聴後ザッピングするとガンダムの奥の深さに感心しました。
例によって例の如く、ネタバレありのレビューとなっております。
・EVOLVE../11 RB-79 BALL
ボールが主役。敵MSにザクⅡ、味方機としてなんとGブルが登場する作品です。
一年戦争終結直後のア・バオア・クーを調査していたボールが遭遇した、戦争の悲劇が描かれたものになっています。
アクションは過去のEVOLVEに比べると凝ったものになっておらず、未知の敵に狙われる恐怖、臨場感の演出に比重が置かれた内容と思いました。
ラストは正直拍子抜けでした。言わんとしていることはわかるのですが。
また、主人公の顔が緊迫感を感じられず、個人的には全体的に残念なできと感じました。
なお、本作で登場するGブルにはG-3ガンダムが収容されており、『GUNDAM THE RIDE』との繋がりが示唆されているとのことです。
『GUNDAM THE RIDE』なんて、初めて聞いたレベルです。
・EVOLVE../12 RMS-099 RICK-DIAS
リック・ディアスの乗ったクワトロ・バジーナが戦闘シミュレーションでシャアザクのデータと戦う話。
GUNDAM EVOLVE IIではカミーユが始末書を書いていましたが、本作ではクワトロ・バジーナが実弾でブローブを破壊し、始末書を書いており、EVOLVEシリーズ唯一続編作品と言える内容となっています。
ただ、昔の自分のデータにボコボコにされた苛立ちから始末書はサインだけで、クシャクシャに潰されています。
EVOLVE Ωでは3Dモデリングされたモビルスーツの戦闘シーンをメインに据えることが多かったですが、Αではストーリーにも力を入れている感じがします。
本作もメインはバトルではなく、クワトロが百式に乗り換えるきっかけとなる話が描かれています。
なお、本作を題材とした作品として漫画「追憶のシャア・アズナブル」があります。
EVOLVEではラストが有耶無耶となっているのですが、漫画で物語の決着を読むことできます。
・EVOLVE../13 RMS-108 MARASAI
またもやΖからです。
第12話「ジャブローの嵐」でエゥーゴを追って地球に降下したマラサイのうちの一機の話です。
取り上げる題材がマニアック過ぎやしませんか、と思うのですが普通なのでしょうか。
地球へ降下するマラサイのパイロット「ジョナサン」は、降下中に父からのメッセージカードを観るのですが、そこにはティターンズはジャブロー基地を核爆発させる罠を仕掛けていること、息子の安否を気遣う旨の内容が込められていたという話。
夕焼けを前に赤ワインを揺らして息子を説得するパパがいかにも過ぎて酷いです。もうちょっとなんか、普通にできなかったものかと。
あと、降下中なのと、メッセージ内容が衝撃的なことを演出したかったのか、パパのセリフが繰り返し流れてタイル表示になり顔面どアップになって、セリフはなんかもうラップのように反芻される、ある意味で衝撃映像が流れ始めます。
電波を感じる危険な作品だと思いました。
・EVOLVE../14(頑駄無 異歩流武../十四) 武者頑駄無
まさかのSDガンダムです。SDガンダムなんてわかんないよ。
SDガンダムでも武者頑駄無が主役で、魔殺駆の軍団と戦う話となっており、話の唐突感がすごすぎるので本気なのかギャグなのか判断が付きかねる部分があります。
良かった点として、本作は作品の性質上人間が登場しないため、3Dが非常に自然です。
EVOLVE作品中登場する人々はやはり3Dっぽさが抜けないので。
また、他のEVOLVE作品に比べるとわかりやすく、妙な安心感がありました。一話で完結していて、EVOLVEのオアシス的作品だと感じました。
・EVOLVE../15 RX-78 / MAN-03 BRAW-BRO
機動戦士ガンダムに登場したニュータイプ用MA「ブラウ・ブロ」と、そのパイロット「シャリア・ブル」にスポットをあてた話。
ブラウ・ブロとシャリア・ブルは、ガンダム本編を見たときから重要なポジションでありながら登場が少なく、本作で題材となったのは個人的に嬉しかったです。
また、EVOLVE最終作らしく、戦闘シーンも激しいものになっていて、ストーリーも良かったと思いました。
なお、ガンダム本編ではおもちゃの宇宙船のようなブラウ・ブロですが、本作では赤と緑のカラーリングの禍々しい機体にデザインが変更されており、オールレンジ攻撃の恐ろしさが表現されています。ブラウ・ブロって強かったんだ。
全作品を通し、VガンやF91、∀、ガンダムX、ダブルオー以降のガンダム作品などが題材とならなかったのは残念です。
その後のウッソ・エヴィンやロラン・セアックに会いたかった。
アニメーション技術は進化しており、EVOLVEは次を作れるコンテンツだと思うので、続編が出ることを心待ちにしています。