「ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵(アニメ映画)」

総合得点
66.8
感想・評価
229
棚に入れた
1083
ランキング
2728
★★★★☆ 3.9 (229)
物語
3.9
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

この気持ち…レビューで発散させても宜しいでしょうか?w

これからの鑑賞を楽しみにしている方はご覧にならない方がイイ?かもな残念な内容となっておりますので、そのへんご了承くださいw
そしてこれは私個人の感想なんで、お気を悪くなさらないで頂けると幸いです(´∀`;A















ホントはもっと後に観る予定だったんですけど、予定を繰り上げて観てきました。
だって…もう、終りそうなんですもん~w orz

公開からおよそ二週間(2/18現在)。最初は一日の上映回数4回だったのに、早くもたったの2回に…。
けいおん!はたしか一カ月以上たったときでも3回くらいはあったような…?w(まあ、けいおん!は最近の人気作で対象年齢層も広く、萌え主流のご時世なのでヒットするのも当然のことですがw)
でも、ベルセルクの方もファン層だけでなく、一般の方にも興味持ってもらえるよう宣伝頑張ってますし、
シナリオ(原作)が良いので、オープニングの来場者数は少なくてもじわじわ来るんじゃないか…なんて思ってたんです。
しかし上映数も減らされ、今後の興収の伸びも期待できないため、どうやら今作は奮わずに終りそうです。ネットでの書き込みでも、作品に対して不評なコメントが目立ちました。
(オフィシャルでは大ヒット御礼!なんて書かれてますけどw)
これは実力派になりきれなかった本作自体にも問題があるに違いない!ということで、直接、自分の目で確かめに行って参りましたっ!!

そんなわけで映画館に足を運んでみたところ、そこには驚くべき光景が…(゚д゚;)ポカーン

私を含めて来場者がたったの‘2人’!! ガッラガラな状態w
なんというか…悲しくなりましたねー。(´;ω;`)ドバッ
もちろん、足をパタパタさせてはしゃぐような子供は今回見当たりませんでしたw

後から若干客が入り、数人程度に。
(ここで確認、これはレイトショーとかじゃなく、休日の昼間の話ですw)

そして、とうとう本編の上映が始まり、冒頭の戦場シーンへ。


今回の劇場版と旧アニメ版とで大きく異なるのが、やはり映像技術の進歩です。
3DCGメインへと移行し、大勢のキャラがセカセカ動き、戦闘シーンの迫力・疾走感がハンパ無く向上してます。
PVでは3DCG独特のキャラの震え?みたいなものが気になり、正直安っぽいな~と思っていたんですが、劇場で観るとかえってそれが戦場の慌ただしさと非常にマッチしており、四方八方から響き渡る凄まじい音響効果も相まってマジで鳥肌モノでした!
この凄さは劇場でしか味わえませんね。

そして、興奮冷めやらぬ内にオープニングロールへ。
このオープニングがまた素晴らしい出来!
おどろおどろしい感じの画&構成に加え、これからの過酷な旅路を想起させるような重圧感のある音楽。
劇場作品ならではの凝った演出に早くも感極まって泣きそうになりました。
なんだ、すごくイイじゃないか!(`・ω・´) ちょっと先走り過ぎちゃったかなー?w

そう、ここまでは完璧だったんです!
問題はここから↓


まず、3DCGを前面に押し出し過ぎなため、無機質で冷たい感じ・限定されたカメラワークが仇となり、
キャラのアップシーンでは演出が味気なかったです。
そうならないようにキャラの表情は2Dで描いたり工夫はされているみたいですが、
体の方は3DCGだったりもするので、挙動が浮いた感じになり違和感が出てしまっている。
それに綺麗すぎますよね。原作のドロッとした絵の雰囲気が伝わりません。
あと重いw まるで‘処理落ちした動画’を観ているような気分にw ひょっとして回線混み合ってます?的なあの感じw
なので、3DCGという技術の一長一短な性質で、‘短’の方が若干目立ったかな?という印象を受けました。でも、結局慣れてくるんですけどねw

声優さんの方は可も無く不可も無くという感じ。前回同様、二人に絞って触れたいと思います。
今回、ガッツ役は神奈さん→岩永洋昭さん(俳優)に。グリフィス役は森川さん→コードギアスのスザク役で有名な櫻井考宏さんに。
ということで、ガッツはより無骨で男らしく、グリフィスはよりしおらしく中性的な感じに。
なにか萌えることのできる要素(この場合BLw)を取り入れようとしているのが見え透いていて可笑しくなっちゃいましたw そのへんに文句を言うつもりはありません。時代の流れなのでw このほうがウケは良いんじゃないかとも思いますし。
でも少し気になったのが、ガッツ役の方は本業の人ではないためか、滑舌があまり良くなかったですw らしさが出てるっちゃ出てるんですけどw

それはいいとして、今回一番不満なのがやっぱり内容。
旧アニメ以上に原作のシーンが省略されている。され過ぎて、もはやダイジェスト状態w
あれで感情移入できる人がいるのか甚だ疑問。
80分足らずという短い時間の中に原作の要素を無理にすべて詰め込もうとし過ぎて、演出がすべて薄っぺらく、重みが感じられない。
台詞と台詞の間に必要な‘間’さえも省略されているのだからどうしようもない。
さらに最悪なのが、ある場面を省略する際に、その場面の台詞を別の場面でキャラに喋らせたこと。
効率よく尺を短くするためには仕方のないことですが、しかしそれを重要なシーンでやってしまったこと。
あの日、あの場所だから湧き起った感情なのに。不自然極まりない。雰囲気ぶち壊し。
ノッてきたなと思ったら、そういうシーンで何度も興ざめさせられ、次第に腹が立ってきました。
ほんの一例↓
「3年前とは違う!昔の俺じゃない!」←はて?何のことやら。何かありましたっけ…?(´・ω・`)
「い~だろ~」←急にどうした?w
…などなど、挙げたらキリがないです(脈絡ナシの切り取りでスイマセンw)

ガッツ幼年期の映像化が忠実になされるかどうか…?なんて次元じゃない。今作はそれ以前の問題。
もちろん、それに関しても旧版より雑で、忠実と呼ぶには程遠い出来でしたがw
伏線のつもりで軽く触れて、二部以降で掘り下げるつもりなんですかね?
数え切れない程の人をその手で殺めてきた筈のガッツが、ユリウス暗殺の際に何故あんなにうろたえたのか?
その本当の意味を理解できなくなってしまいます。これは彼の幼年期が深く関係しているんです。
初見の方だと、罪のない子供を殺したからあんなにうろたえている、と思ってしまうのではないのでしょうか?(実際、この劇場版はそれで割り切ってる節があるので、そこも気に食わないです)
つまり、二部以降に幼年期のエピソードを持ちこしても意味がないんです。一部でなくては。
二部以降に期待します!じゃ、ダメなんです。

あと、フォス大臣も削られたし。黄金時代篇以降の映像化、ホントにやる気あるんですかねー?

原作ファンが今回の映像化に何を求めているのか。正直、制作側の方々がそのことを理解されていると少しも思えませんでした。
ベルセルク本来の良さを全く感じとれない。ベルセルク風の西洋時代劇といった感じです。
なんだか、旧アニメ版が恋しくなってきました。(←かといって特別出来がいいわけでもないんですがw)


原作ファンとしては不満だらけ。初見さんはあっさりし過ぎな演出のせいで作品に入り込めず、イマイチ魅力を感じない。
そうくれば、コケないわけがありません。ネットで叩かれてるのも納得!なヒドさ。
これじゃ、似たような実写映画を観たほうがナンボもマシです。

話飛びますが、劇場版けいおん!の出来は素晴らしいものがありました。
(製作費との兼ね合いもあるとは思いますが、業界人じゃないんでそんな事情知ったこっちゃないですw)
あの出来なら何回もリピートしたくなる気持ちもわかります。
しかし、このベルセルクはファンでもリピートするのは辛いw
如何せん尺が短すぎた。120分くらいかけてもっと丁寧に表現して欲しかったです。

三浦先生といい、冨樫先生といい、この方たちは描く世界が独特過ぎて映像化との相性が良くないですねw
原作の方も全然進まないし…。つくづくファン泣かせな漫画家さんですw

長文でグチグチ言って申し訳ないですw
『素晴らしい出来だった!!』とか書いて、ファンとしてホントは盛り上げないといけないのですが、あまりのヒドい出来に不満を発散させたい気持ちを抑えられませんでした…orz
期待しすぎたのがいけなかったのか…。二部以降は期待しないで待つのが吉みたいっすw
映画化成功して欲しかったなー。残念で仕方ありません。マジで泣きたい気分ですw(´;ω;`)

投稿 : 2012/02/19
閲覧 : 465
サンキュー:

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