oxPGx85958 さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 2.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
なんかちぐはぐ感が -> 実は大問題作だった
最後まで見ての感想
当初は最初の3話ぐらいで、物語の流れをコントロールできていないスポ根アニメだな、などと思って見るのを中断していました。まさかこんな問題作だったとは! ネット上のレビューなどを読んで大体の事情は掴んだつもりですが、いまも本作についてはアンビバレントな気持ちを抱いています。
とりあえず見ている最中に思っていたのは
● これ、シリーズ終わるまでに何人か死ぬんじゃなかろうか
● 劇中の音楽が70年代のサイコスリラー映画みたい
● バドミントンは情操教育に悪そうだから未成年者には禁止すべきでは?
● あの唐突なお風呂シーンは頭おかしい
● ながら見だったせいもあるかもしれないが登場人物の見分けがつかなくなることが多々ある
といったところだったんだけど、最終話で{netabare}コーチが試合後に選手を医者に連れていくことを美談のように描いていたシーン{/netabare}を見て、この作品は意図的にこういうことをやってきたんじゃないのかな、と思うようになりました。要するに物語やら作画やら音楽やらが不安定な、「変なアニメ」にすることで、バドミントンとか高校の部活といったアニメお約束の概念に対する異化効果を狙っているのではないか、と。
ネット上のレビューを見ると困惑している視聴者が多くいますが、それは狙いだった。だいたい主人公の綾乃や声の演技がああも頻繁かつ唐突に変わるのは意図的でないはずがないし、あれが「不自然に見える」ことに製作陣が気づいていないわけもないので、少なくともあれについては視聴者を意図的に混乱させる、別の言い方をすれば「気持ちを不安定にさせる」のが狙いだったはずです。
同シーズンに放映されていた『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の、幾原的な「かぶき方」が、「はいはい、例のやつね」みたいな反応しか視聴者から引き出せないのと比べると、本作『はねバド!』が仕掛けてくる攻撃は実際にダメージを与えます。私はあのお風呂シーンでのコニーの変貌ぶりがほんとに怖かった。
バドミントンの試合の作画は本当に素晴らしい。これがなかったらほとんどの人は「支離滅裂なアニメ」として途中で見るのをやめたのではなかろうか。しかしあの作画があったから、最後まで見て混乱することができたわけで、この手のメタな仕掛けをするときには基本の作りがしっかりしていないといけないという教訓が引き出せます。
ただ、こうやってシーズン最後まで見て、この作品がこの仕掛け以外に何を語りたかったのかがいまだによくわからないんですよね。Wikipedia などで今後のストーリーを見ると、ここまでは大きな物語の序盤っぽいので、主眼はこの後のシーズン2(もしあれば)にあるのかも、とも思いました。
なお、シーズン見終えて出演者情報などを見ていて心底驚いたのは、荒垣なぎさを演じている島袋美由利が、同シーズンに放映されていた『ゆらぎ荘の幽奈さん』の幽奈であったことでした(他にもあるけど、この2つが驚き)。この幅の広さというか器用さは必ずしもいいことではないんではないかと思うんですが、驚いたことは間違いない。
-----
第2話まで見ての感想
第1話を見た時点では、「高校の部活の話にしては重すぎない?」などと思っていたのですが、第2話でいきなりそれ(の一部)が解決に向かって、「話の扱いが軽すぎない?」となりました。
やはり第1話を見た時点での感想として、バドミントンのアクション・シーンが本格的であることと胸の揺れ具合とのバランスが取れていない、というのがあったのですが、それと合わせてちぐはぐ感があります。
あ、バドミントンのシーンは素晴らしいです。あとは試合の展開に説得力を持たせられるかが勝負でしょうね。第1話と第2話を見た時点では、バドミントンの試合における「強さ」が、絵だけからはあまり伝わってこなかったです。