「少女☆歌劇 レヴュースタァライト(TVアニメ動画)」

総合得点
72.2
感想・評価
272
棚に入れた
976
ランキング
1192
★★★★☆ 3.7 (272)
物語
3.5
作画
4.0
声優
3.3
音楽
3.8
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

【仮】学芸会の木

何回かに分けて書いたこの作品の感想ですが、思ったより最終回まで詰め込んでて大遅刻しました。


【7話―大場なな】

さて、では話題性があるところで、7話時点での状況を整理してみたいと思いました。(まあレビューではないですね、作品評価は最後に書くかもしれない)

少しづつ加筆していこうかなと思います。

・大場なな
まず、中盤で大きな転換点を生み出した、「大場なな」。それについて整理しましょう。
公式ホームページでの「スタアライト」の説明は
「古くより愛されている戯曲で、ミュージカルとして世界中で何度も上演されている名作。運命で結ばれた二人の少女・フローラとクレール、そして「塔」を守る6人の女神達が織りなす、美しくも哀しい物語。」
いきなりなんのこっちゃということですが、ここでいう「フローラとクレール」というのは、華恋とひかりとして、6人とは残りの99期生の登場人物です。
6人・・・?公式HPでの人物紹介は9人なのです。華恋とひかりをあわせても8人なのです。
数が合わない。あと一人はいったい誰で何役なのか。
それが大場ななです。
彼女の役は「塔」つまり、学芸会でいえば、木です。
その劇の舞台であり、世界そのものであるにもかかわらず、スポットライトの中心ではない存在。
「ばなな」という裏方であることに喜びを感じると同時に、世界という圧倒的な力の中に他者を包み込んでしまう、ある種独善的存在。

そもそもなぜ演劇「スタアライト」と99期生の現在の9人で配役を考えなければならないのかは、一話のスタアライトを演じるシーンを見ていただければわかると思います。スタアライトの配役は8人ですが、実際には9人で演じています。

大場ななはループ世界をオーディションの力で構築し、仲間を自分の世界に幽閉します。


1年生の時の「スタアライト」の再演を夢見ることは、「塔」を舞台にした劇の再演、つまり自分の中に皆を閉じ込めたいという願望を持った世界を作り上げているのです。

オーディションでの力が自分の世界を作り上げることなら、大場ななは、登場人物の中のだれよりも世界なのだろうと思います。

一年生の時のスタアライトを二年生で再演を目指し、一年前の輝きを再現したいと望みますが、
「まだ眩しい」というななのセリフからも、満足していないことが伺えます。

塔はアルカナで言えば、いろいろな意味があるが、ネガティブな意味しか持ちません。東京タワーも塔ですね。

続きは、大場ななの世界に干渉した、神楽ひかりと、ひかりと運命を交換した、愛城華恋について、書ける時に書きたいと思います。

・神楽ひかり 
さて神楽ひかりについて整理しましょう。
彼女は大場ななのループ世界に、特異点として現れる。
このとき、ひかりは現在の世界(視聴者が見てきた世界)とはもう一つ前の世界(ループ前)で大場ななに干渉した。
このとき、大場ななのループ実行後に彼女が記憶を保持しているかは不明です。
何らかの目的を持って転入してきた事は明らかです。
彼女がループに気づいたのがループ前世界であり、ループ後も記憶を保持していて、今度は先手を打つために転入してきたというなら自然かもしれません。
しかし、ループ世界を終わらせるはひかりにとって手段でしかない。もしかしたら本当に華恋と同じ舞台にたつことが目的なのかも。
それとも、キリンが言うように「舞台少女」の舞台での一瞬のキラメキのための燃焼という意味と、「全て灰になるまで」という一話のタイトル通り、
肉体的、精神的消滅を防ぐために来たのかもしれませんね。

そして。ひかりがなぜループに気づいたか。それは元々の能力なのか(少なくとも特殊能力バトルではなかったはずです)、華恋との約束、運命の交換によるものなのか、
大場ななの世界がキリンとレヴューの力によるものなら、鑑賞者としてのキリンが同じ舞台をなんども見ることに飽きたことで、
力が弱まったのではないか?
もしくは、舞台少女が再生産、そして舞台少女の敗北により何かを失っていくことで、大葉ななの世界は少しずつ変化していった。そのような状況が考えられるのかもしれません。
燃焼していく舞台少女達はループ世界の中で確実に疲弊していき、大場ななは必然的に求める舞台に届かない。

一方で、ひかりの華恋に対する思いは、真矢とのレヴューを阻止しようとしたひかりを振り切って参加してしまった華恋に対する行動と、仲直りまでの道程から、本来のひかりの目的が華恋中心にあることが予想されます。

次回は愛城華恋と、運命を交換するということについて。


大分時が経ちましたね・・・
大場なながラスボスのように思ったのですが、真のラストへの布石でしかなかったため、ななのループ世界を破った理由などを述べた自分が馬鹿馬鹿しかったです。まどマギに毒されすぎたかな。

さて、今回は華恋と運命を交換するという事について書こうと思っていたのですが、これを書いている時点でもう最終回終了しています。
なので、すでに種明かしされている物を考えるものほどつまらないものはないので、最終話までの感想を交えて、書いていこうかなと思いますね。

・愛城華恋
まず、私の予想と外れたこと、一。大場ななにとって、愛城華恋が特殊だったのであって、神楽ひかりが特殊ではなかったこと。
華恋が異質な理由は「飛び入り」という、舞台に「乱入した」事によって、理由付けられています。
大場ななの世界では、神楽ひかりが介入するまでは、大場ななはただの一役者に過ぎなかった。では、ひかりの介入によって、華恋の歯車は動きだします。(第一話の歯車のシーンから想起できますね)


では、華恋の特殊性について、それがどこから生まれるものか。
大場ななと神楽ひかりはレヴュー内で対立しましたが、二人の目的は、手法が違うだけであって、99期生を守ると言う点で、一致しています。
つまりこの二人は存在が対照的というわけではない。
むしろ存在が対照的なのは華恋と大場なな。
ななが現状を守るタイプの人間ならば、華恋は新しさを求めるタイプ。
舞台少女の「再生産」という力に置いて、常に現実を受け入れて前に進む華恋が「再生産」によりアップデートされる幅は、過去しか持たないななより圧倒的に大きい。
華恋との現在での思い出を元に新たなきらめきの創出し、ななを倒したひかりでさえ、現状を守りたいという考えであり、華恋の再生産力には勝てない。
ななやひかりが原典の結末を知って諦めを持っているのに対し、最終的に華恋は原典の物語の続きを創出して見せた。

要するに、生産力の違いを決定付けるのは、舞台少女達の心の力です。他の二人組みでも、挫折と再起を繰り返し、再生産によってきらめきを力にしている。

まとめとして、ひかりという要素が、華恋の再生産力を爆発的に大きくし、大場ななのループ世界を破壊する一旦を担い、他の舞台少女達が今までのループ世界ではなかったきらめきの創出が、ループ世界の崩壊の理由として述べさせていただきます。



幼少期の二人がほしつみのレヴューで感じたきらめき。
二人が分かち合ったきらめきがなんであるかは、この作品を視聴していた時に感じたきらめきをそのまま当てはめる、という事を言っておきます。

華恋たちが感じたきらめき、それをもってほしつみの原典の運命の続きを作る、自分の運命をほしつみのレヴューに重ね合わせるひかりを、華恋がきらめきによって再生産させる。

挫折や苦難を乗り越えて、前を向く華恋の心に、再生産で力を与え、劇的な喜劇を作り出す、そこに私達観客は、元気とも勇気とも、その言葉では形容しがたい、「きらめき」を感じるのではないでしょうか。

学芸会の木とななを称しましたが、あの配役は、あながちまちがってもないかも・・・

投稿 : 2018/09/29
閲覧 : 297
サンキュー:

29

少女☆歌劇 レヴュースタァライトのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
少女☆歌劇 レヴュースタァライトのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

Progressが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ