Progress さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
無糖サイダー
この作品には価値があります。努力による応援だとか、勝利の美酒に酔うとか、青春のさわやかさとか、そういうのを一切視聴者にさせない、与えない、見せない、他作品のスポコンものにはある「好感」「快感」「甘さ」のない無糖サイダーみたいな作品。
これを好き好んで飲む人は、「まずいけど炭酸は体にいいんだ」と言う健康志向の人でしょうね。
そういう作品ないですよね。というか、いちいち覚えてない泡沫作品になっちゃう。でもこの作品は覚えられるでしょう。
んー、そこは、近年の作品でも作画が良くても皆ガッカリしちゃった作品あります。「カバネリ」とか「ギルクラ」とか。
期待値とのギャップが激しい作品は、覚えられちゃうでしょうね・・・
そんな作品では有りますが、無糖サイダーだからこそ、今までのスポコンとはかなり比較しやすい。そして、何が足りないって糖分もフレーバーもないよと、敬遠しやすい。
はねバド!とはるかなレシーブは同時期に放送された作品なのですが、露骨に比較している人もいないようですが、この二つ、似てる所もあり、比較しやすい。もしくは、スポコン作品のセオリーに収まっているのかな。
・羽咲が主人公と思わせ、影の主人公なぎさがいる。
・はるか視点で物語は始まるが、バディのかなたの問題の解決が多くを占める。
・決勝戦は同校対決は同じだが、対戦相手に影の主人公がいるか、バディにいるかの違いがある。
・登場人物のママンの性格が対照的である。
はねバドが割りと人間性の負の部分に向き合っていたのに対し、後者はビーチバレーというスポーツに向き合っている。
はねバドの主人公、羽咲は対戦相手を煽りまくりましたが、はるかなレシーブの主人公、はるかは人に煽られても自分の主義を貫いている。精神的にははるかの圧勝です。
まあ、色々かけますが、はねバドは主人公の過去、後ろを見ているのに対し(「何のために」とか思う中学試合の回想から入っちゃうしね、母親の事も、常に人を信用していない)、はるかなレシーブははるかがゼロからスタートして「私たちはかけがえのない一人を選ぶ」と言う言葉を1話にもってくることから未来、前を見ている。
(どちらが良いではなく、はねバドは全員過去をいつまで見てるんだと言う気持ちがあり、はるレシは未来を見るのはいいけど推進力のはるかが語られなさすぎているんです。)
この対照的な作品が同時期に放送されていたことが奇跡すぎる!
面白いことにあにこれの星評価は現時点では3.5で同じ。
好き好んでみたいのは、はるかなレシーブでしょうね。はるかなレシーブにも満足はしていませんが、はねバドは、無糖を通り越して、煽りがエグさを感じますもん。
他の作品とも比較したいですが、この作品が比較しやすいことがあるから、ここらで辞めましょう。
この作品単体で見た時、どうでしょうか?
単純な感想になりますが、作品内で人を煽る、人の人生をぶち壊しにする、
人の好意を踏みにじる、それらが周りに「最近羽咲変だよねー」で行為が流され、
それらを行った人が負けることによって、許される。
どこにその人を許せるほどの人間的魅力があったのか、
高校生という時間を過ごす人はそこまで人を許すことができる人間ばかりなのか、
疑問を作り続け、現実味のない人間関係は、スカスカで無糖な炭酸飲料を飲む感覚でした。
最後に、最終回の試合で、どちらも応援出来なかった。これがこの作品の「甘さ」のなさであり、「好き」になれない理由ですね。