@ねみゅ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
冷静にアニメとして評価をしよう。
かなり話題性のある作品で色々と吹っ飛んだ所があることで
実際にこのアニメはどうなのかと自分なりに考えてみた。
○物語・設定・世界観
後々の問題となる25話・26話以前の話ですが、まず初見だと設定がかなりコアに
構成されているため聞きなれぬ単語がちらほらと出てくることは必至ですね。
そのため所々で「ん?」となりますが映像で補足できているかと思います。
世界観自体は物語の進行につれて十分に理解できるため問題はないですし、
その物語自体は人物の心情を良くも悪くもリアルに捉え加えられていて
展開も早く盛り上げるところは盛り上げ、シリアスな部分・落ち着かせる部分と
起伏の波も良く出来ているため話に入り込みやすくこの点を見れば満点に
近い構成だったでしょうね。
ただし、若干グロテスクな部分も含まれていたり過激な表現もあったりするため
そこにおいて苦手や嫌悪する方もいるかと思います。
○キャラ
主人公のシンジ君が本当にネタでしかありませんね。上記にも記したように
この作品は心情を良くも悪くもリアルであり、その例として挙げられるのが
このシンジ君なのです。もし現実の中学生がそこにいたらそんな感じなんだろう
と思わせるような“ヘタレ”っぷりを見事に描かれているわけですが、それは
アニメの主人公としてどうなんだ?という点からすればダメダメの主人公です。
それに合わせて彼の名言としてよくネタにされるのが
「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」という台詞ですね。
作中で彼の心の葛藤を謳った最高の一言です。
続けて、ヒロインとして綾波レイ・惣流アスカの二名ですね。
あくまで世論を見ると綾波レイの方が大いに人気が高いわけですが、性格等を
考えればそれも頷けるかも知れません。
綾波レイは、この作品における重要人物なわけですが当初寡黙で無表情なため
掴み所が無い存在だったのですが主人公と触れ合うことで心情の変化と共に
様々な感情を表に出していく……わけであり、そこらへんがまた可愛いという
ファンが多いわけですね。また声優が林原めぐみさんで安心できる方ですね。
大体の方は「ポケモンのムサシ」と同一人物だと認識しているかと思います。
惣流アスカについては、かなり気が強い子でその実はとても精神的に弱い存在
なわけですが、作中ではそれに関してフラグを何本を立てていた気がするの
ですが、結局そこまで突っ込んだやり取りがないまま終わってしまい
物語上で孤立した存在になってしまいましたね。そんな彼女の口癖でよくネタ
にされているのが
「あんたばかぁ?」でして、これをプリントアウトしてデザインされた
赤のTシャツを着た小太りの外人さんを見たときは吹きましたね。
個人的には綾波レイより好きなキャラが葛城ミサトですね。作中ではもっとも
まともな存在といって過言ではないと思います。また次回予告での台詞として
「この次もサービスサービス」が一時ブームになりましたね。
その他にも机に肘を付いて手を組んだ格好で有名なシンジ君の父、碇ゲンドウや
そのゲンドウに母娘揃って愛してしまうという赤木親子などかなりキャラ自体で
濃いのが揃っていて面白みがあります。
○音楽
OPはいわずとしれた高橋洋子さんの「残酷な天使のテーゼ」ですね。
アニメは知らないけどコレは知っている。という方も多くいて子供向けアニメ
を除けばもっともアニソンとして有名な曲なのではないでしょうか。
EDはCLAIREさんの「FLY ME TO THE MOON」という個人的には好きな曲なのですが
毎回ボーカルが違かったり、ジャズ風に変えられていたりだとか演出に変化が
あってかなり拘ったEDでしたね。
また、作中では色々と挿入歌があるのですが基本的には、洋楽とミサトの声優
である三石琴乃さん、JAMプロメンバーでまっくんこと奥井雅美さんが歌った曲
です。ラジオやコンビニといったシーンで一部流れてるだけなので気づきにくい
ところがありますが、逆にこだわりみたいなモノを感じるところでもありますね
BGMについては普段のTVでも流れるようになった元ネタがあるので今から見る方
にとっては「あ、聞いたことがある」となると思います。
○問題点
いよいよ問題点ですが、この作品のもっとも話題とされた部分でもある
25話・26話で、24話との繋がりが一切合切なく、その理由としては制作期間の
問題とされているらしいですね。とはいえこの問題に関していえばネット上に様々な情報が
あるのでそれを見ていただくのが早いでしょう。ただある意味この最終回が
あったからこそこのアニメの知名度が上がったことは確かであり、この問題が
もしなくちゃんとした完結があったとすれば、もしかしたらこれほどまでに
売れる作品ではなかったのではないでしょうか。
○総評
上記の問題点を除けばアニメとしての完成度は極めて高い一方で、
やはりアニメとして最も重要とも言える最終回の欠陥は総合的評価を下げる対象
でしかないです。それとは別にやはり話題性をもった作品としてはもはや揺ぎ無く、
その証拠とすれば地上波で流れるアニメ映画で子供向け以外を除くと
ONEPIECEとエヴァくらいです。アニメファンを名乗るなら見るべき作品である
ことは間違いなくここではあまり触れないようにしましたが、劇場版も全部
見たほうがいいでしょう。TVでは完結しなかった作品が劇場で完結するのを
期待して総評とさせていただきます。