シャベール大佐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
女性キャラが、ロボットも人間もとてもかわいいSF作品
hIEと呼ばれる人型ロボットが、ごく普通に社会の至る所で活用されている22世紀初頭の日本が舞台。人間と、人間以上の知性や能力を持つ機械との関係を描くSF作品。全20話+総集編4話。最終回でも物語はまだ途中というところで終わり、残り4話が「BEATLESS Final Stage」として9月に放送されるようです。
予備知識ゼロで第1話を観始めましたが、とりあえずキャラデザが非常にかわいくて好みだな、なんて思って眺めていたら、EDのクレジットに「キャラクターデザインやぐちひろこ」と書いてあって納得。アイカツ!のキャラデザの人なので、自分の好みに合うのも当然でした。監督もアイカツ!でスーパーバイザーをやっていた水島精二ということで、第2話以降は結構注目して観るようになりました。
で、内容のほうですが、美少女の姿をした5体の超高性能hIEが研究所から逃亡、そのうちの1体であるレイシアが、主人公・遠藤アラトと出会って物語は動き出します。人間とロボットや人工知能との関係という王道の題材を、バトルや恋愛っぽい要素を絡めて描いていて、主人公の妹・ユカの出番など笑える場面も適度にあります。個人的には、前半はどんな作品なのか様子見という感じで観ていましたが、中盤くらいになって物語の全体像が段々わかってくると、あとは毎週楽しみにしていました。原作は日本SF大賞にノミネートされた小説ということですが、主人公やその友人、妹といった主要なキャラは10代の少年少女ばかりですし、5体の超高性能hIEも美少女で、バトルのときなどは露出度の高いコスチュームだったりもして、設定やビジュアルは非常にアニメ的です。あまり内容を小難しく考えずに、気楽に眺めても問題ない作品だと思います。
キャラは、ヒロインであるレイシアは、かわいくて魅力的であるだけでなく、その行動の裏に何があるのか読めない部分もあって、作品のメインキャラとしてしっかり機能していました。主人公のアラトも、とても優しいけれど、お人好しすぎて利用されやすい「ちょろい」人間として描かれていて、どこまで機械を信じられるのか?といった物語内容には合っています。また、女性キャラが全体的に魅力的な作品でしたが、いちばん好きだったのは紅霞(こうか)というhIE。ちょっとワイルド系の悪女っぽいキャラで、声にも色気があってとても良かったです。演じていたのは冨岡美沙子で、この人もアイカツ!で姫里マリア役だった人ですね。
最後まで観終わって、まだ完結していないので物語の最終的な評価は保留ですが、少なくとも第20話までの部分はなかなか面白かったです。序盤よくわからない部分があって第1話から観直したり、途中にも総集編が4回もあって内容をおさらいしたのに、今また最初から全部再視聴していたりして、9月からの続きがとても楽しみです。
↓↓↓以下、「Final Stage」を観終わっての追記
満足できる完結編でした。終わり方には余韻もあって良かったです。
おおよその感想はすでに書いた通りなので、上で触れなかった部分を少しだけ付け加えます。音楽は、OPとEDで計4曲あって全体的に良好。紅霞やスノウドロップが登場するときのBGMも、キャラのイメージと密接に結びついていて、強く印象に残っています。声では、メトーデの雨宮天も好演でした。キリングバイツのラーテルでも感じましたが、こういった武闘派キャラは意外と適役ですね。
全部観終わって振り返ると、当初の期待以上に面白かったです。序盤のエピソードに掴みどころがなくて、必要以上に視聴者をふるいに掛けていたような気もしますが、どんな物語なのか見えてきても全体の雰囲気は変わらないので、序盤で合わないと感じた人には、やはり合わない作品かもしれません。