九条 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夏の風物詩。
高知県高知市を舞台に、主人公(杜崎)と、その親友(松野)、そして転校生ヒロイン(武藤)の三角関係を
瑞々しく表現したジブリ作品であり、生粋の高知県民である私にとって、本作以上の私得アニメはない。
土佐弁や郷土の風景は無論のこと、それらの補正以外にも、短時間(72分)で友情や恋愛、家庭事情を
修学旅行や文化祭などのエピソードを挿入しながら素朴なタッチで描写しているところに好感を覚える。
武藤の傲慢さが癪に障る方も少なくはないであろうが、あれはあれで実に彼女らしく思えるところもあり
個人的には許容範囲内である。寧ろ、その煮え切らなさや甘酸っぱさが青春の一ページを蘇えらせる。
高知県民であるという補正が加わるのは間違いないが、名作揃いのジブリの中でも永遠に首位の座を
明け渡すことはないであろう、非常に趣深い作品であり、夏の風物詩であると思っている。諸事情により
ジブリとしては知名度が比較的低くはなっているが、私の心にはしっかりと焼き付いている作品である。