ぺー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
これは恋というものかしら・・・
2018.07.07記
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2019.01.24大幅加筆
《配点を修正》
TV版『たまこまーけっと』を観てあらためて観直してみました。
初見は2018年春。『聾の形』『リズと青い鳥』と最近の山田監督の作品に触れ、氏の名前が私の中で認知されてきたタイミングでの過去作の視聴でした。“まーけっと”を観る前のことです。
本作は必ずしも『たまこまーけっと』の視聴を前提とはしません。全編通じて
゛優しい時間が流れている不思議な雰囲気の作品”
でした。
“まーけっと”の事前情報なしでも鑑賞できる物語とはいえ、冒頭シーン含めTV版をおさえておくとニヤッとできる描写は散りばめられてます。
私のように劇場版からでも差し支えなく、それで興味を持ったら『たまこまーけっと』に手を出してもよろしいかと。どちらもほのぼのした作品感は貫かれてます。
ほのぼの日常系という土台の上に、タイトルにあるような“ラブストーリー”をどう絡ませるか?
元ネタのTV版では、同級生3人組。妹や父、祖父といった家族。商店街の面々。そして異性の幼馴染。ヒロイン“北白川たまこ”を中心にしたユニットが複数あり、どれも相応な尺をとって描かれていました。
狭義の日常系であれば同級生3人組の描写が大半を占めるところを“まーけっと”ではどのユニットにも時間を割いていたのです。そのうちの一つ“異性の幼馴染”もち蔵との関係に着目したのが劇場版となります。
結果として、複数ユニット描写済みの土台があったことで、重大事件を扱わない“ふわふわ日常系”ながら、おそらく重大事件であろう“恋愛要素”という相反するものを挿入しても唐突な感じがないといった不思議な作品となってました。そして、
“ほのぼの”“ゆるふわ”“きゃっきゃうふふ”
きちんと残しながら、唐突感の無さを越えて、たまこの淡い恋心を丁寧に描いておりました。なかなかこういったタイプの作品は少ない気がします。
83分と短めなので内容には触れません。日常系で恋愛を描いたお手本のような良作です。
私個人としてはもっと心をぐりぐりと深くえぐるタイプの作品が好みなので、あまり手を出さない領域ではありましたが、そんな私のような嗜好の方でも充分に鑑賞に耐えうる恋物語でしたよ。
■初稿
{netabare}2018.07.07初稿
たまこまーけっとは観てない
劇中ずっと優しい時間が流れている不思議な雰囲気の作品。{/netabare}