8bit さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
悪い意味で今風 (脚本) 良い意味で今風 (画)
泥臭いサクセスストーリーを期待して視聴するととんでもない肩透かしを食らう。
物語の全てが"点"で構成されており"線"として繋がっていない。
随所に感動カッコイイ台詞が散りばめられているがそういうのは前段階できちんとした描写があってこそ活きる演出台詞であり、その場限りで発言させるには不適切。
悪い意味で今風のキャラクターだなと感じた。
ちゃんとバックボーンを描きなさい。
アマチュア(ハンデあり)がたった3ヶ月(初戦に至っては1週間程度)で制覇する競技に説得力の欠片も感じられない。
土台に説得力が無いからキャラクターの発言も説得力が無い。
脚本がへたくそ。
そもそも企画倒れ。
13話で収まる話じゃない。
スポコン物で一番大事なのは過程だ。
敵がフックの使い手ならばダッキングを練習して懐に潜り込む術などを練習する。
足腰を鍛えて前進する力を付ける。あるいは腹筋を鍛えて相手の攻撃に堪える肉体を作る…etc。
サッカーなどの団体戦なら仲間と絆を深めてチームワークを鍛えるなどあるだろう。
目標(倒すべき敵)がある→それをどう打破するか考える→練習する
相手が強ければ強いほど(自分との力の差があるほど)それを乗り越えた時の感動がより大きくなる。
しかし本作にはそれがない。(全編通して10分くらいはある)
敵の描写無し、主人公側の練習の描写無し、それでスポコン物として何を楽しめと?
ここら辺が今風。
修行パートを疎かにする傾向嫌いだなぁ…自分が強くなってる実感ないもの。
泥臭い画は意図的に描かれたモノでこちらはとても良い。
線が不均一、汚く見えるノイズ加工など、泥臭さの表現は素晴らしい。
製作談で意図的にやったとの発言があったので狙い通りでしょう。
…ただし戦闘の描写はイマイチ。
猫パンチが少々多めなのと引きの画が多いのも気になった…
画の良さと脚本の悪さの差がハッキリと出た作品。
作画に引かれて最後まで視聴できたがこの作画でなかったら最後まで観れなかっただろう。
とはいえこの程度の酷い脚本は世に溢れているので別格に酷いというわけでもない。
まだ見れるレベルではある。
惜しい作品。
芯をしっかりと描写していれば化けたかもしれない。