あぱぱ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
叫ぶなら、思い切り叫ぼう
心の声をテーマにした作品です。
私も作品が伝えたいと思ったことに対して声をあげて書きます。
最初この映画に対してのイメージは
「泣かせを狙った過剰宣伝がいやらしく、製作陣のネームバリューで
稼ごうとする姿勢がせこい」
が印象でしたので、すぐに見る気が起きなかったのが本音です。
そんな印象でも視聴してみたら物語からのメッセージはよく伝わって
きました。
物語の見所はナルセの心の葛藤と、同級生や家族に対する心の隙間を
言葉だけでなく色々な表現で打ち解けあう描写が感動できるところです。
以下はネタバレ個人的感想になります。
{netabare}ナルセ以外のキャラクターは本当の心の叫びを
聞き入れていなかったように感じました。
ナルセが一生懸命伝えようとする姿に便乗して、その流れにまかせて
本音を打ち明ける感じが、なんとなくナルセに対して他人事に見えて
しまいました。
(結局のところ思いやりではなくて、自分中心なんだな。。。と)
どうせだったらラストあたりは「ナルセが周りの関係を全部壊して
リセットしてくれればいいのに」と感じてしまいました。
(野球部タサキが周りに謝罪して関係をリセットする姿があったから
期待していたのですけどね)
なのでラストの告白は感動する場面なのでしょうが、冷めてしまいました。
物語の途中までが良かったので、そこが残念です。{/netabare}
自分や周りに気を使って言葉にできないことや、逆に気遣いが足りずに
言葉で相手を傷つけることを感じる作品とすれば素晴らしい作品です。
傷つけても、傷つけられても、どっちが悪いとかないと感じます。
(余談)
本気で声をあげて相手とぶつかり合うと、なにかしらの「わだかまり」が
残ることがあると思います。
自分の気持ちを発声した時は、伝えたい事を言えた自己満足だけは
満たされますが、納得してもらえるのは別だと感じてます。
しかし言葉で傷つくことを恐れていては前に進めないので、それは
作品のように伝えるのが正直な気持ちだと思ってます。