二足歩行したくない さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
上級者向けの作品
各ガンダムシリーズの様々な場面をその時代の最新技術を用いて描く試みを行った作品群、GUNDAM EVOLVE。
本作は、現時点で全15作あるうちの第1作から5作が収録されています。
1作品あたり短いもので4分程度、長くても6分ちょっとの長さしかない超短編映像集で、正直なところまともに見ることができるのは、5作目のνガンダム編くらいです。
それ以外は見ても「ふーん」で終わる内容です。
また、各作品は独立していて、各ガンダム作品内の場面を抜き出したものとなるため、各ガンダム作品についての前提知識ありきの内容となっています。
本作でいえば、ファーストガンダム、ゼータ、Gガンダム、0083、逆襲のシャアがすべてわかることが前提となります。
さらに漫画作品やSDガンダムにまで範囲が広がっているため、ガンダム上級者向けの作品といえます。
各話短く、様々なガンダム作品を広く対象としているのですが、ガンダムの入り口にはできない作品です。
1作が4分のものもあるため、レビューする上でネタバレ回避は不可と思い、本レビューはネタバレありとしています。
各作品のレビューは下記の通り。
・GUNDAM EVOLVE 1 RX-78-2 GUNDAM
ファーストガンダムからの作品です。
最終決戦「ア・バオア・クー」へ出撃する前のアムロ・レイの回想となっていて、GUNDAM EVOLVE唯一の非3D作品です。
9割本編の流用で、ラスト直前のガンダム出撃シーンだけが新規作画です。
アムロがガンダムのコクピットで操縦桿を握りしめ、目を閉じると過去の戦闘がフラッシュバックする、そして戦闘に出撃するだけの話で、元は特典映像だったそうです。
感想は、特に。
・GUNDAM EVOLVE II RX-178 GUNDAM Mk-II
ガンダムMk-IIの対リック・ディアス戦戦闘シミュレーションの様子が描かれます。
ガンダムMk-IIがシミュレーション空間でリック・ディアスを倒して終わりというだけの内容です。
3D作品で、本作作成時には新技術が使われているようなのですが、よくわからないというのが正直なところ。
久々にカミーユやアストナージさんの声が聞けたのには感動しました。
なお、本作ラストで記録用のプロープを破壊してしまったため、カミーユが書いた始末書が表示されます。
始末書にはカミーユの全く反省のない反省文が書かれているので、そちらも必見。
・GUNDAM EVOLVE 3 GF13-017NJII GOD GUNDAM
Gガンダムからの作品。
ゴッドガンダムの演舞と、そこに乱入した怒り狂ったレイン・ミカムラの操縦するライジングガンダムとの格闘を描いたものになっています。
本作も、久しぶりにドモンとレインの掛け合いが聞けたのが嬉しかったです。レインの声優は変わっていますが。
また、3Dで描かれたゴッドガンダムとライジングガンダムの戦闘は非常に迫力があり、本作はこういったテーマには親和性が高いと感じました。
戦うだけの作品ですが、良作だと思います。
・GUNDAM EVOLVE 4 RX-78 GP03 DENDROBIUM
0083より、コウ・ウラキが搭乗する前のデンドロビウムの話。
ラビアンローズを襲ったシーマ隊と、デンドロビウムの戦闘が描かれています。
ザクやゲルググM相手に無双するデンドロビウムかっこいいです。悪魔のように対象を破壊するデンドロビウムが描かれていて、迫力の伝わる作品となっています。
なお、本作はオーキスから分離したステイメンが生き残ったゲルググに打たれて、テストパイロットの名を叫ぶオペレーターの声で終わるという悲痛なラストとなっています。
・GUNDAM EVOLVE 5 RX-93 ν GUNDAM
逆襲のシャアより、アムロのνガンダムとクェスのα・アジールとの戦闘を描いたものになっていて、本作はすべて3Dではなく、人物だけはセル画で描かれています。
また、他作品とは異なり、本作だけは富野由悠季がストーリーを書き下ろしていて、逆シャアとはまた別のifのストーリーとなっています。
私的にはどっちが好みとも言い難いです。
ハサウェイがあまり好きじゃないので、EVOLVE版のラスト後を考えるとハサウェイとクェスがくっつくわけで、それはちょっといただけないと。
ハサウェイは救われるが、クェスには振られる、これが一番メシウマなので、この線でお願いしたいところです。
なお、全作品超短編のため、ストーリーの説明などはほぼないです。
各作品の知識と状況からストーリーを読み取る必要があり、そういった意味でも上級者向けと感じました。