Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
銃によるチーム戦のバトルロイヤル。これが"もう一つのSAO"…
この作品は、ソードアート・オンライン/ファントム・バレット編のスピンオフ作品として位置付けられています。
作品完走後にwikiをチラ見したところ、作者は初巻のあとがきに「ファントム・バレット編まっで読んでおくとより楽しめるが、知らなくても楽しめるようにしている」と書かれていました。
確かにその通りだと思いますが、本作を心行くまで堪能するならSAO2期の視聴は必須だと思います。
キリトやシノンがこの世界に何を残したのか…
そもそも剣や魔法が主流だったSAOに銃オンリーのGGOを取り込んだのか…
全ては理由がありましたよね。
そしてファントム・バレット編を視聴したら、こちらを視聴するも良し…
そのままキャリパー編~マザーズ・ロザリオ編に流れてユウキとアスナの雄姿と顛末に涙を流すもよし…
つまり、何が言いたかったのかというと、このシリーズの楽しみ方は一つじゃないという事です。
SAO2期まで視聴済の方は、このGGOの世界観にどっぷり浸かるまで決して多くの時間は必要としないと思います。
さて本作の物語ですが、主人公は北海道出身の小比類巻 香蓮…都内の大学に通うため上京してきた女の子です。
彼女の特徴でもありコンプレックスでもあるのが身長…180㎝超もあるんです。
もともと彼女は素材が悪くないので一見モデル風に見えるのですが、本人は身長が伸びたことで不快な経験も少なくなかったとか…
でもそのコンプレックスは思った以上にダメージが大きく、大学での友達作りにも支障をきたす程になっていたんです。
そこで目に入ったのがVRMMOのニュース…
彼女は現実の自分とは全く異なるアバターを作って仮想現実の中でコミュニケーションのリハビリを始めるべくGGOの世界に足を踏み入れ…GGOでのアバター名レンの物語が動いていきます。
GGOでのレンは現実世界とはまるで真逆…
身長145㎝の小柄な身体は上から下までピンク尽くし…、ステータスを敏捷性と器用さに振っているので、動きや足の早さは尋常の域ではありません。
でも、このステータスについては、作品の中で目の当たりにして欲しいのが本音です。
「百聞は一見に如かず」をきっと体現できることと思います。
そして、この作品最大の魅力は、本編では1対1のサバイバル戦でしたが、今回はスクワット・ジャム(SJ)と言う1チーム6人以下の団体戦なんです。
これが何を意味するのか…1対1では使用できなかった戦術がチームを組むことによって可能になる…
つまり戦術の幅が格段に広がる事を意味しているんです。
例えソロでどれだけ強くても、複数人による囮作戦などを決行されたら、即座に足元を掬われてしまう事だってあり得ます。
BoBでも共闘はできましたが、最後には決着を付けなければならない間柄…
一方SJでは仲間と喜び・悲しみを分かち合える…
ゲームなんですから色んな楽しみ方があるのは良い事だと思います。
こうしてレンはSJのイベントに否応なしに首を突っ込んでいくことになるのですが、SJ内での出来事については、是非本編でご確認頂ければと思います。
一つだけ付け加えておきます。
団体戦だから戦いの質が下がるとか、戦いの難易度が下がるとか…そういうのは一切ありませんから。
この作品の放送を知って完走して、2点気になったことがありました。
まず一つはSAOには様々な物語がありますが、スピンオフ作品として何故GGOを選んだのか…
これは直ぐ分かりました。
本作の著者である時雨沢恵一さんはSAO2期の時に銃器監修を担当されていたそうです。
元から銃器に詳しいからGGOをスピンオフ作品として選択した…これは理解できます。
二つ目の気になったこと…
何故SJ2の試合で放送が終わってしまったか…ということです。
本格的に面白くなるのは、むしろここからなのではないでしょうか?
原作は既刊7巻まで発刊されていて、今回はSJ2までなので3巻までを使ってアニメが制作されたことになります。
原作のストック…残っている様な気がするのですが…
一つ言えるのは、レンはフカを始めアニメで登場したたキャラには、もう思い入れがあるということ。
ピトさん、エムさんやチームSHINCのみんなの活躍が未だ全然見足りないということです。
主演の楠木ともりさんの演技も良かったですし…続編の情報に期待したいところです。
オープニングテーマは、藍井エイルさんの「流星」
エンディングテーマは、レンの「To see the future」
まずは藍井エイルさん、復帰おめでとうございます。
復帰早々、全力全開モードですね。
これからの活躍を期待していますので、無理のない範囲で活躍して頂ければと…
1クール全12話の物語でした。
スピンオフ作品ながら、存在感も面白さも十分過ぎるくらい良作だったと思います。
あとはこの作品が販促作品にならないことを願っています。