プランタン さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ひそまそー。少し違った観点から考察。
「ひそねとまそたん」はOTFというドラゴンが擬態する戦闘機に乗る訓練をする前半と、「ミタツ様を導き鎮める」という使命を実行する後半で別れる。ドラゴンと仲良くなって、整備班と交流を描くほのぼの日常系から、終盤は生贄ありきの大掛かりな作戦が展開される。OP映像が変わるため、切り替えはわかりやすい。
今回は少女らの恋愛や日常には言及しないため、それらが気になる方は他のレビューを参考にしてほしい。
74年周期で復活する「ミタツ」様とは何ぞ? 気になった点はそこだった。今年から74年前は、1944年。戦時中であり、翌年の1945年が日本では終戦の年である。第二次世界大戦で遠方の地で亡くなり、家族やお国を守るべく出征した方々の「未達」の想いの集積がアレなのだと仮定するならば、未だ戦時にあって荒ぶる魂に耐えうるのは同時期に空を飛んだ戦闘機に他ならない、という帰結だったのか。日本に帰って来たミタツ様は山のようになったのも、戻りては離れたくないという意思なのかとも考えられた。
最後にひそねはまそたんと人身御供として残ったが、海に飲まれ流れ着いた人形の頭が代わりになり外に出た。故郷に残した子のイメージが「若い女の子」を生贄にする、という風習に繋がり、その姿を持ったものなら何でもよかった、ということなのか。
筋違いかもしれないが、「ジョアおば(あ)さん」の時代背景を考えると興味深いものだった。オリジナルで個性的なキャラクターと二転三転する物語がそこそこ綺麗にまとまったのは評価したい。それ以上に何も考えずにひそねとまそたんがぺろぺろ舐め合う姿が愛らしく、この作品を象徴するシーンとなっているのが面白かった。一見の価値ありデス。