岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
多田君は影が薄い
「月刊少女野崎くん」のスタッフが再集結したオリジナル作品ということで期待値の高い作品の一つだったが、最終的には可もなく不可もなくという感じ。
ストーリーはベタ・王道の展開で安心感はあり、キャラクターに共感しやすい部分は多い。コメディ要素もあるが特に後半はシリアスな展開が続き、前半と後半で温度差に大きな差がある。個人的には最後はビターなエンドでもよい気はした。
キャラクターはやや多かったか。もう少し早いから段階で多田・テレサの恋愛模様を重点的に描いてほしかった。また多田・テレサよりも周囲のキャラの方が目立ってしまい、肝心の主役組の恋愛過程が地味なものになってしまった感じ。そのせいで終盤の二人の再会と告白にあまりカタルシスを感じられなかった。しかも大抵のカップルが最終的にどうなったのか、描き切らないのにもやもや。キャラクターでは特に宮野さん演じる伊集院は性格もお芝居も本当によかったと思うが、いい仕事をしすぎて逆に主役の影が霞むというのは皮肉だった。
声優さんに関しては痛手だったのは、梅原さんの降板。代役の杉田さんのお芝居もよかったが、梅原さんもかなり弾けた新鮮なお芝居をしていただけに残念という気持ちが強い。杉田さん代役の回からやっぱり作品の空気感は変わってしまった感じもしたし、なんとなく一役の登場も減った感もある。テレサとアレク役の石見さんと下地さんは好演だったと思う。今後の活躍に期待。
その他キャラクターの細かい仕草・表情の動きなどは細やかにしっかり作られており、素晴らしかった。またOPのオーイシお兄さんの名曲も最高。
原作ありとオリジナルなので評価は難しい点もあるが、個人的には「月刊少女野崎くん」の方が好みかな。
視聴日 18/6/29