シャベール大佐 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
明治時代の北海道を舞台にした、意外と笑える冒険活劇
明治後期の北海道を舞台に、元兵士「不死身の杉元」と、アイヌの少女・アシリパが、どこかに隠されているという金塊を探す冒険活劇。全12話。
金塊の隠し場所の情報は、網走監獄から脱獄した囚人たちの体に暗号のように入れ墨として彫られているので、まずはそれらを探して集めるのですが、主人公たち以外にも金塊を狙う勢力が登場したりして、争奪戦が繰り広げられます。
明治期の北海道というと、時代や環境的にアメリカ西部劇にも近いような世界観を作りやすくて、佐々木譲や山田風太郎など冒険小説の舞台にもしばしば使われていますが、この作品も設定の時点ですでにワクワク感があります。戦争帰りという背景があることで、登場人物たちの戦闘技術や精神的な強さには説得力がありますし、北海道ならではの野生動物やアイヌの文化習俗の描写も豊富で、この時代、この場所というものを、しっかりと物語に活かしてありました。また、殺し合いなどの緊迫感のある場面もある一方で、ギャグパートが質量ともに充実していて、かなり笑わせてもらいました。
キャラは、主役の杉元とアシリパはそれぞれ有能ですし、会話も面白くて好感が持てます。その他の脇役にも、非常に癖の強いキャラが多数登場して、全体的に良かったです。
作画は、CGヒグマには違和感がありましたが、それ以外は特に気になりませんでした。
最後まで観終わって、全体のストーリーについては、面白くなりそうな雰囲気は確かに感じさせつつも、作品内での進み具合はそれほどでもなくて、最終的に本当に面白いのかどうかはまだわからないのですが、見応えのある戦闘、笑えるギャグ、強烈なキャラ、興味深いグルメ、ためになる豆知識などによって、個々のエピソードは間違いなく面白かったです。10月から2期が放送されるようなので、続きがとても楽しみです。