ぱるうらら さんの感想・評価

4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

話の構成に特徴がなくなったが、安定感は維持しつつ物語は面白くなった。

『夏目友人帳 参』は漫画原作、1クール（全13話）のほのぼの系妖怪ファンタジーアニメです。


この作品の特徴は1話完結型という構成でありましたが、今作、第3期においては前後完結型が増えてきました。つまり2話に渡って続くお話のことです。この構成になった事により、以前に比べるとこの作品に対する見易さというものが低下しました。しかし、相変わらず各話（前後編）の起承転結はしっかりとしているため物語に入り込み易く、それらの安定性はきっちりと維持されていました。むしろ、各話の内容に案しては、1話で話を完結を心がけていた以前とは異なり、一層深く踏み来む事が出来るようになったため、より一層面白くなったと思いました。

今作では1期のように大人しい妖怪は減り、人に対して悪事を働くモノが増えたため、主人公の夏目は人と妖怪のどちらも同じように手を差し伸べる事は出来ない、互いに相反する存在のためどちらか一方に肩入れするしかないのだ、ということを2期の時（季節は秋）以上に感じるようになります。
それでも夏目は妖怪たちとの出会いと別れによって、少しずつ成長してゆき、新たな人の友達（夏目の理解者）も増えてゆきます。

1期2期とは異な他の点は人と妖（あやかし）との距離感でしょう。幼い頃は人の友達が出来なかった要因であり憎むべき妖という存在を、夏目は年を重ねる毎に認め、理解し、憎むべき存在ではないと改心してゆく...。
そして、更なる大きな変化は、それが夏目だけに限った事ではなく、夏目の人の友人、田沼や多軌も同様に妖との距離感が以前とは異なっていく点でした。
ニャンコ先生に関しては、性格も顔も丸くなった気がします＾＾；


これらの内容を踏まえた、しみじみと感動出来るほのぼのストーリー。私は1期や2期よりもこの第3期の方がこの夏目友人帳という世界を楽しむ事が出来ました。この作品は相変わらず素晴らしい作品です♪