おぬごん さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
きらら系日常作品×漫画家+作者の人生
まんがタイムきららMAX連載の、女子高生漫画家4人を描いた4コマ漫画が原作
女子高生漫画家4人が、古民家の寮で共同生活したり学校に行ったりしながら漫画を描くお話です
主人公かおす先生の福島県出身で15歳で漫画家デビューという経歴は、作者の経歴そのものです
「15歳で漫画家デビューとかねーよwww」と思われた方もいたかと思いますが、少女漫画誌では結構あるんですよね
少年漫画でも『BLACK CAT』『ToLOVEる』の矢吹神は17歳でデビューしてますし
…まあさすがに高校生にティーンズラブを描かせることは無いと思いますが…エロマンガ先生じゃあるまいし
話が逸れましたが、この作品基本はきらら作品らしく優しい世界が描かれていますが、
かおす先生廻りの描写は結構生々しかったりするんですよね
センスが無いとか、周囲に置いて行かれる感覚とか、一人での創作が孤独で辛いとか、あとリアルなキモヲタ感とかw
恐らくかおす先生は、作者自身の人生とありったけの愛が籠もったキャラなのでしょう
この生々しい葛藤や成長が受け入れられるか、それとも「きららアニメにこんなんいらねえ!」と突っぱねるかがこの作品が合うかどうかの分かれ目かな~と思いました
まあシリアスな場面でも泣き声が「あばば~!!」なのでシリアスも吹き飛ぶんですけどねw
キャスティングは、かおす先生には新人の赤尾ひかるをあて、その他の寮生は人気の若手が担当するという作中の設定を踏襲したようなもの
かおす先生と一緒に入寮した小夢役が赤尾ひかるの事務所の同期の本渡楓なあたり、かなり凝っていますw
かおす先生役の赤尾ひかるにとっては年が近い声優が多くやりやすい一方で、初主演で自身の立場と重なるようなキャラということで辛くもあったのではないでしょうか(※個人の想像です)
舌っ足らずな喋りはご愛敬としても、「あばば~!!」の勢いやキモヲタ時のリアルなキモさなど凄く良い演技だったと思います
当初はまあよくあるきらら作品かとあまり期待していなかったのですが、作画の良さや、ベタながら王道なキャラ、テンポ良く季節・漫画家・キャラネタを絡ませた話が何だかんだで心地よく、思った以上に楽しめました
{netabare}田舎で友達のいなかったかおす先生が、東京でみんなと出会って普通の女子高生になれたことで、「JKでキモヲタ」の自分にぴったりで、そして原作と同じ「日常4コマ」に行き着く{/netabare}というラストの展開も美しかったです
きらら作品の王道を守りつつも作者の色が出た佳作だったと思います