プランタン さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ダークホース、駆け抜ける
アプリゲー発のアニメはとにかくコケやすい。センサーに引っかかった人を捕らえるがごとく養分にするため、比例してキャラクターが増え、それを活躍させるために視点がばらけるためだ。結果的に魅力は語れず、ただのキャラクターカタログのようなお粗末さで終わる。しかし、今作は違った。
「ウマ娘」はスペシャルウィークという夢を抱いて上京したキャラクターを核として、彼女らがトレーナー(序盤は変質者かのようだが…)の手で成長する物語として出来上がった。史実のレースを基に、サイレンススズカの生存ルートという改変を加えて。序盤はライブがメインになるかと思っていたが、走って食べるの繰り返しだった。何という色気のなさ! しかし華がないわけではなく、間違いなく舞台はレースで、そこで彼女らは輝く。熱血とコメディに振ったおかげでかなり楽しめた。
最終話のEDで「うまぴょい伝説」なる電波ソングが流れた時は、笑えたが終わりを感じて寂しくなりもした。走り続ける彼女たちを、アニメでは見られなくなるのは至極残念だ。
最終話の「夢のゲートっ!」を見た後で、ぜひ「夢の第11レース」のCMを検索して観てもらいたい。ニコニコ動画には「ウマ娘Ver.」もあるため、最終話のあの演出の意図が一目でわかる。個人的にはトレーナーが名前を呼び表情が変わるシーンを含め、今年見たアニメの中で一番胸踊った。
余談だが、筆者は競馬のけの字も知らないものの、ジョッキーの武豊氏にとって「死ななかった夢」を仮想的とはいえ見ることは如何ばかりかと思いを馳せた。