シャベール大佐 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
真面目な作風だけど、ときどき予想外の展開で楽しませるファンタジー戦記
乱世の大陸を舞台に、様々な勢力が剣や魔法で戦いを繰り広げるファンタジー戦記。全24話+総集編1話。
予備知識ゼロで最初に第1話を観たときは、とりあえずヒロインのシルーカがかわいくて魅力的、主人公のテオも真面目でイケメンの正統派キャラのようで、王道ファンタジーとして悪くなさそうかな、といった印象。ただ、その後しばらく観続けていると、登場人物が非常に多くて世界観や勢力図などがややわかりづらく、またテオやシルーカの活躍も必ずしも多いわけでもなくて、序盤は当初の期待ほどは面白いと思いませんでした。それが中盤になると、序盤のネタ振りが徐々に効いてくるというか、それまでに登場してきた人物たちが、それぞれに見せ場を作って退場していくような展開が続き、作品後半には毎回かなり盛り上がりました。最後もきちんと物語の完結まで描いているので、観終わった満足感もあって良かったです。
一般論として、この手の架空戦記というジャンルは、観ている側にも古今の軍記物や歴史小説などの知識があるわけで、戦闘や謀略を描くにしても新鮮味や意外性を確保するのは簡単ではない思いますが、この作品ではかなり奇抜な作戦?などもあったりして、なかなか楽しめました。王道の作風だからといって普通すぎてもつまらないですし、逆に滅茶苦茶やりすぎても全体の雰囲気を壊してしまいそうな中で、その匙加減はちょうど良かったような気がします。
キャラは、上記のようにヒロインのシルーカが魅力的で、演じた鬼頭明里の声も良かったです。まだ物語がそれほど盛り上がらなかった序盤でも視聴を継続していたのは、ヒロイン目当てという面も多分にありました。その他のキャラでも、ヴィラール、アレクシス、マリーネ、ラシック、ミルザーなど主要人物は皆それなりに個性を描けていて、全体的に悪くなかったです。
作画は特に問題なし。戦闘シーンも頑張っていたと思います。音楽は、後半のOP曲が好みでした。
最後まで観終わって、このジャンルの作品としては珍しく、中途半端に終わらずに、2クールでしっかり完結させたところは評価したいです。正統派戦記物の硬派っぽい雰囲気を感じさせつつ、一方では恋愛要素もかなり強かったりもして、娯楽アニメとしてのバランスも良く、まあまあ良い作品だったのではないでしょうか。