Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これは、私たちが受け継いだ絆(おもい)…
この作品はオリジナル作品だったようですね。
タイトルから「刀剣」を取り扱った作品であること、それに本渡さんと大西さんが主役級の役を演じると知り、視聴を決めた作品です。
レビューを書いていて思ったのですが、今期本渡さんと大西さんが共演する作品…私のレビュー順で、こみっくがーるずに続きこれが2作目です。
今まで声優さんを共演という軸で切ったことがありませんでしたが、この切り口は面白いかもしれません。
役作りや、声優さんの演技の幅を感じる機会になるかもしれないので…
この世には、人の世に災いをなす「荒魂」と呼ばれる異形のモノが存在していました。
そして、神薙ぎの巫女である刀使(とじ)が御刀によって荒魂を祓う…
刀使は、警察組織に属する特別祭祀機動隊に属している、御刀の所持を公認された超法規的な国家公務員なんですが、全国5か所にある中高一貫校にて訓練を積む傍ら、有事の際は御刀と特殊能力を用いて荒魂から人々を護る少女たちだったんです。
物語の季節は春…
全国5校から選りすぐりの刀使が集まり、毎年恒例となった刀使を統べる折神家での御前試合…
本作の主人公である岐阜の美濃関学院に属する14歳の衛藤可奈美と、平城学館に属する同じく14歳の十条姫和との試合の最中のことでした。
まだ1話目なのに、いきなり物語が急スピードで動き出すからビックリでしたよ。
でも、釘付けになって視聴するには、十分過ぎるインパクトだったのではないでしょうか。
「何が起こった?」と問われたら「暴挙が起こった」としか言いようがありません。
問題は国家公務員である刀使が暴挙を起こしたこと…
でもその暴挙は、急性的な精神の異常や何者かに操られていた、という類のモノではなく暴挙はあくまでも意図的でした。
だから、暴挙を起こした事そのものに理由があるはず…
暴挙の内容から試合中だった二人は、反逆者として追われる身になるのですが、その理由を深掘りしながら真相目指して物語が動いていきます。
物語は大きく前半と後半に二つ…
前半は真実を知り、これまで背負い続けてきた宿業に終止符を打つ物語…
衛藤可奈美、十条姫和らのメンバーは全部で6人…
絶対的人数は全然多くありません。
きっと可奈美と姫和じゃなかったら、この仲間は集まっていなかったでしょう。
己を信じ、己の技をこれまでの研鑽により徹底的に鍛え上げた6人でしたが、それでも、手を取り合うまでには時間がかかりました。
反逆者として追われる、という事が何を招くかを分からない彼女たちではありません。
母校を…そしてこれまで育ててくれた家をも裏切るに等しい行為だからです。
最初は予感しか無かった…
けれど、キチンと段階を踏むことで予感を確信に変えることができた…
その確信を糧に集う6人の思いは一つ…
これまで続いてきた負の連鎖を断ち切ること…
思いは崇高だったかもしれない…
けれど、彼女たちの前に立ちはだかる脅威の強さは半端ありませんでした。
個々人の技量ならきっと劣っていたと思います。
様々な思いがあったのは事実です。
でもお互いに刀使なんです。
己の剣に対して正直であると共に、純粋に強さを求める姿勢がどんなに反発しても通じ合ってしまうんです。
だから彼女たちは自分に課せられた運命と役目を背負います。
ここで唯一歯痒かったのは、正々堂々という一番の気持ちに応えられなかったことかもしれません。
そして物語の後半は、自分たちの果たすべき責任と絆を感じて新たな一歩を踏み出す物語…
前半の展開も十分苦しかったとは思いますが、後半は前半とは質の違う苦しみを味わうことになります。
その苦しみ…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、「Save you Save me」と「進化系Colors」
エンディングテーマは、「心のメモリア」、「未来エピローグ」と「鎮魂の夜想曲(ノクターン)」
主要登場人物6人が歌っています。
個人的にはオープニングのノリの良さが好みでした。
2クール全24話の物語でした。
オリジナル作品らしく、尺の長短を感じさせない展開だったと思います。
そういえば、本作で益子薫を演じていた松田利冴さん…
この作品の放送と同時期に「ハクメイとミコチ」というこの作品と真逆な癒し系の作品が放送されていましたが、松田さんはこの作品で主人公のハクメイ役も演じていましたよね。
声を聴いて一発で分かりましたよ。
だから益子薫の言動の節々に「ハクメイ」がチラついたことが何度かあったかな…^^