ossan_2014 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日常化する儀式
初めての町で新たな人間関係に飛び込む1期のオープンウォーターから、その先へ活動を広げるアドバンスドの2期へ。
広がりと深さを増す主人公の人間関係が、アドバンスドへステップアップするダイビングと重ね合わせられている。
向上心のすり切れた万年オープンウォーターのオッサンとしては、ステップアップする若さがまぶしい。
新たな環境への適応をスキューバの「呼吸」に象徴させて一体化していた1期に比べ、一応の基盤を築いたうえでの生活の充実は、逆にダイビングとの一体性からは離れたようだ。
ダイビングもまた、特権的な「儀式」のようなものから、「新しい生活」の一要素として、順調に日常生活に統合されていっている、ということなのだろう。
ちょっと寂しい気もするが、1期ではどうもダイバーの視聴者は多くなかったようなので、このほうが見やすく感じられるかもしれない。
反面、ダイビングのシーンそのものは増えていて、楽しく感じられた。
特に海中のウミガメの動きは異様にリアルで、あんなふうに人間よりも遥かに動きの速い大型の野生動物にまとわりつかれて少しばかり恐怖を感じたことを思い出させる。
最終話のナイトダイブで、空を飛んでいるようだと主人公が語るシーンがあるが、いつも潜るたびに同じことを感じていた。
こんな楽しみ方もあるので、魚や生き物に特に興味のない人でも試してみる価値がある。
前期のキャンプものアニメのように、本作のようなアニメきっかけの挑戦もいいのではないだろうか。
ただ、1期でも指摘されていた極端なデフォルメだが、ダイビングシーンで位相や等身の異なるデフォルメを同じフレームに入れるビジュアルはやめてほしかった。
律儀なまでに正確なダイビング描写が、まったく信頼感のないものに見えてきてしまう。
どうやら来期でも、新たなダイビングアニメ(?笑)がスタートするようで、こちらも楽しみにしている。