Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まんが家寮生活、はじめました!
この作品の原作は未読ですが、毎期視聴を欠かせない「きらら系列」の作品なので、この作品も視聴を楽しみにしていました。
「きらら系列」以外の楽しみ…やはりそれは出演される声優さんの布陣です。
本作の主人公である萌田 薫子(もえた かおるこ)のCVである赤尾ひかるさんは今回が初主演作品だったようですが、主人公のルームメイトである恋塚 小夢(こいづか こゆめ)のCVは本渡さん、漫画家としての先輩にあたる色川 琉姫(いろかわ るき)のCVが大西さん、そして琉姫のルームメイトの勝木 翼(かつき つばさ)のCVがりえりーという布陣なんです。
このゆるふわ系の作品にりえりーボイスがマッチするかがポイントだと思っていましたが、ボーイッシュな少年の様な女の子…というはまり役だったので、私の心配は全く無用でした。
この物語は、まんが家を目指して上京してきた主人公の薫子(ペンネームは「かおす」)が、同じくまんが家を目指すルームメイトの小雪や、同じ女子高生であるにも関わらずプロとして連載まんがを執筆している琉姫や翼と同じ釜の飯を食べながら、お互いに切磋琢磨していく物語です。
プロと見習い…
同じ女子高生でも立場はまるで違う上、そこには決して越えられない壁があります。
きっとプロには感じられず、プロに到達できない者が感じる壁…
一生懸命足掻いてもがきながら、その壁を突破しようと必死に打ち込む姿…
そう考えると、ゆるふわ系の作品ながら扱っているテーマは重く熱いモノだと思います。
でも普段はそれをあまり感じないのは、日常パートがあまりのもゆるゆるだから…
でも、そのゆるゆるに浸っていると足元を掬われるのが、この作品の特徴であり醍醐味だと思います。
かおすは駆け出しの4コマまんが家ですが、最初に掲載された読者アンケートが最下位という不甲斐無い成績を取ったところから物語が始まるのですが、かおすにあるのは「見込まれた将来性」という行先不明の片道切符と自分のやる気だけ…
でもやる気だけじゃ駄目…読者に夢や希望を与えることはできません。
やる気だけなら、かおすを凌駕するまんが家はきっと星の数ほどいるでしょうから…
画力やストーリー、背景やキャラデザまで含めて魅力溢れるような作品じゃなければ読者に振りむいて貰えないんです。
私が足元を掬われたのが、言葉にすると月並みですが「かおすの頑張り」です。
かおすは、やる気は十分なので作品の中でたくさんのネームを描きます。
でも画力やストーリーが足りず、担当の編集から何度もボツを言い渡されるんです。
しかもそのボツのレベルは「ほぼ全否定」なので、精神的には地の底に叩きつけられたといっても過言ではありません。
事実、ボツを貰った日には当たり前ですが相当落ち込みます…
でも少し凹んで…そしたら、また前を向いてネームを作り始めるんです。
そしてこれが何度も…何度も繰り返しても、かおすはまた前を向くんです。
普通だったら心が折れてもおかしくない…そんな状況でもかおすは歩みを止めないんです。
「自分には才能が無い」「もう何も頭に浮かばない…」と何度も挫けそうになりながら、それでもペンを置かない頑張り屋さんであることを、周りがちゃんと知っています。
だからこの作品は一本芯の通った部分が感じられる、ただのゆるふわ系の作品ではありません。
だから足元を掬われても当然ですし、こういう頑張り屋さんは俄然応援したくなる…
わたしにとってそういう作品でした。
オープニングテーマは「Memories」
エンディングテーマ「涙はみせない」
どちらも主要登場人物4人組のユニット「こみっくがーるず」が歌っています。
いつかカラオケで挑戦しようと通勤中に聞いています。
1クール12話の物語でした。
物語がしっかり纏まっていた上、物語の締め方も良かったのではないでしょうか。
これだから、きらら系列の作品は視聴対象から外せないんですよね…
しっかり堪能させて貰いました。