たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「レイアウト」主義
アニメーションにおける「レイアウト」とは、背景美術を決定する際にキャラクターの立ち位置構図をあらかじめ絵コンテの段階で指定することである。。といっても作ったことのない人にはわからないだろう。。。
アニメにおいて「キャラクター」と「背景美術」は全く別ものとして制作される。キャラクターはアニメーターが描く「動きのある絵」の連続だが、背景は主に美術班の仕事であってアニメーターの仕事ではない。アニメーターは絵を「動かす」のが仕事であって、基本は背景や構図、脚本にはノータッチなのである。
背景は写真や映像を実際に撮ったものを用意し外注することがほとんどであり、そういった専門の会社も存在する。。。。ので、非常にめんどくさいのであるが、絵が上手い演出や監督だと絵コンテの段階でレイアウトを決めてその辺をスムーズに進行させることができる。
特に今は亡き今敏(「千年女優」「パーフェクトブルー」「パプリカ」などの監督)や押井守は「レイアウト」主義で知られており。絵コンテの段階でほぼ完成図像を作ってしまうのである。そうすることによって、「連続する絵」と「背景」が見事に合致して現実味のないアニメの世界をいかにも「映画的」な俯瞰やあおりを多用して視聴者に現実味を与えるのである。
P.Aワークスの凄みはそのレイアウトが完璧に練られていることであり、キャラクターの立ち位置、背景の構図が非常に考えられて配置されているのでまるでTVドラマのようなリアリティが感じられるということだ。
これはこの会社の全作品共通することである。よほど絵に自信のある演出が存在するのだろう。