アベベ晴明 さんの感想・評価
1.5
物語 : 1.5
作画 : 1.5
声優 : 1.5
音楽 : 1.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
年末のも見た…続きはゲームで!じゃないだけマシなのかな
2クールにさらに1時間特番で収められない内容とは思えない。
冒頭のトリックの答え合わせはまあまあ目を引いたが、それ以後は退屈な場面の連続。あと明智との戦闘があまりにショボすぎる。レンのライバルキャラじゃあ、なかったのか…。
たいした意味もなく引き延ばすコンテンツに限って、グダグダシナリオになるという好例がまた増えた気がします。
続きがそれほど気にならない作品というのは、見ていて気楽ですが。
そもそも、ピカレスクロマンというジャンルでは故・望月三起也があまり潤沢とはいえない話数ながらも本質と必須要素を描き切った傑作「ジャパッシュ」があり、それに比べると後年のいずれも模倣や亜種にすらなりきれてない、というのが。
もちろん、例として挙げた作品ですら、面白いと思うかどうかは見た人次第なんですが、なら、この作品を見て物質的あるいは精神的幼年者が抱く、冬の冷たい黒い海のようなルサンチマンを満たせているのかというと、まあ、ないよな、と。
なんというかこういうのを見てしまうと、製作者の有しがちな凡性というのは、この手の作品にとっては毒にしかならないんだな、と思いました。
方向性は違いますが、スタッフたちをパソナルームみたいなところに軟禁の上、新井英樹のワールドイズマインとか、花村満月原作のドッグドッグドッグみたいなアレな作品を不眠不休で読ませ続けてテンパった連中に筆を取らせてみたらどうなるんだろう、とか鬼畜じみた妄想したりして。
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章の終わりごとに増えるメンバー、しかし双葉はともかく、他はあまり魅力はなし。
誰かも書いてたけど、一人の悪人をターゲットにしてそこから退治まで3話か4話のワンパターン。でもそれはいいとして、以前自分が書いたように、悪人を洗脳して善人にしちゃったら裁く意味なくね?というこの設定そもそもの欠陥のおかげでどの章も「ヌカッとざわやか」な終わり方で、そのせいか誰も彼もショボい悪党にしか見えないという・・・。
「改心」程度で許されるべき罪というものには、一定の閾(しきい)があるはずで、さもしい我欲のために人命に至るような犠牲者を出す連中はやはり、それには当たらないというのが一般認識だと思われる。そこを製作者はいたってあっさり考えていたのか、それとも重々承知の上で見ないようにしたのか、いずれにせよ、これで視聴者の共感を得ようというのは、なんとも難しい挑戦だった、とは言えると思う。
それにしても、このアニメは販促としては今クールも再放送していたウマ娘の一割ほども仕事していないと思うのだけど、企画したひと大丈夫ですか。
あと、こういった一話(数話)完結型のワンパターン物は過去にいくらでも好例があるのだから、しっかり読み込んでから作ってほしかったです。
二十六話も用意されているのに、延長試合がなければこの程度の話すら完結させられないのは、製作者としてあるべきモラルすら希薄なように思いました。
もちろん、最初から年末特番作る前提でこのスッカスカの本編であれば、なるほど得心もいきますがね。