あぱぱ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヒトノカタチ
視聴回数 全話5回くらい
本作品を視聴する前に理解しておきたいことがあります。
個人的な意見ですが、ハード&ソフトウェア知識とネットワーク知識が
ある程度ないと台詞の意味が理解できない作品。
かといって一般教養内で、これらの知識を学習する機会は
望まない限りほとんどないので、作品が理解できなくても
仕方ないです。
(日常生活でプロトコルやネットワークを無意識で活用している
ので意識することもないと思います)
この作品は物語というより、啓示や予言というような分類で
製作したかったのではないかな?と私は感じています。
(MJ-12とかオカルト要素が混じっていますが、フィクションなので)
放映されていたのは1998年でしたので、当時としてはかなり先の
時代を見据えた内容になっています。
最近の作品で話題に取り上げられている「人間は電気仕掛け」という
理論はこの作品の中で扱われています。
最近の作品というのは、いわゆる志倉氏が扱っているアレです。
この物語はサイバーパンクとして分類されている理由は
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と類似した作品内容
だからだと思っています。
以下は作品ネタバレ内容です。
{netabare}共感ボックス=ワイヤード 電気羊=レイン 羊=アリス
レインは生身であるアリスをありのままの姿で創造していたかった。
ここが作品のオチに当たるところだと感じています。
結論からするとレインは「ネットワークと現実を双方向に存在できても
肉体というデバイス(5感)は必要である」と私は解釈をしています。
レインと言う存在は「個人」であり「社会」でもあります。
ちなみにレイン姉が「ピーピー」と言っていたのは、彼女はアナログ
なのでネットワークとネゴシエーションするのに時間がかかっている
様子だと思っています。{/netabare}
私の感想として、この作品は特定視聴者をターゲットにした
意欲作ではないでしょうか。
冒頭に書きましたが作品に対する興味と知識があれば色々な
感じ方ができるので、そういった方にオススメです。
(余談)
少し脱線したお話になりますが、肉体の5感ネットワークは
2018年時点でプロジェクトとして国家が実現を目指しています。
興味があれば「5感 ネットワーク」で検索してください。
30年後くらいには、この作品のような世界の片鱗があるかもしれないです。
人間は肉体がある以上、ストレスや恐怖など感情から分離できない
生き物だと私は思っています。
5感情報ネットワークが構築されても、人間は人間のカタチで
これからの未来も生き続けていくことを信じています。
そういえばWindowsは性別があるのですが、OSに人間と同じ感情を
持たせたい趣向だと思うと、面白みを感じます。