ワドルディ隊員 さんの感想・評価

3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態：観終わった

サイケデリックな表現、エログロ要素を詰め込んだミュージックビデオ

この作品は、日本アニメ（ーター）見本市作品の
中でも特に癖の強いアニメだ。
想像以上に過激な映像が立て続けに
流れてくるので、視聴する際には注意が必要だ。
タイトルで示した通り、エログロには耐性を持っていた方がいい。

内容を言葉に置き換えるには、厳しいものがある。
恐らく男性が女性に抱く、恐怖や、悲嘆、嫌悪などといった
感情をサイケデリックに表現したのだと思われる。

見た感想だが、確かにインパクトには残るものの
繰り返してまで見る程の中毒性はなかったように感じられた。
他の方が言及されているように、様々なものを掛け合わせただけで
意外性のある作品には見えなかったからだ。

作画には気合が入っているのは事実だし、映像と音楽を上手く絡めた
演出で見る人を引き付けるのは間違いない。そこは高く評価している。
言い換えれば、それ以外に卓越したものがないのだ。

このアニメのように、人間の脳内を覗いているかの
ような作品は幾分か存在するのだが
まあ万人向けではない。これがやりたかっただけだろと
一蹴されるパターンがほとんどだ。評価されるケースも稀にあるが、
人に勧めるには難しい物ばかり。カルト作品のリストに載るだけだ。
カルト作品を作るのが前提だったのなら、
大成功を収めていると言えるだろう。

自分の場合は、真っ先に「裸のランチ」を思い出した。
作品をざっくり説明すると、ME!ME!ME!以上に癖の強いカルト映画である。
ちなみに、エログロ要素も普通にある。
裸のランチも、大衆向けに作られたもの
ではないので、勧めるのは躊躇うものがある。

音楽と上手く絡めた演出であれば、自分は
エドガー・ライト作品を思い出す。
簡単にではあるが、エドガー・ライトについても書いていこうと思う。
エドガー・ライトは、イギリス生まれの映画監督であり、
音楽とシンクロした演出を用いるのを得意としている。
低予算の映画が多いが、批評家からは高い評価を受けている人物だ。
ME!ME!ME!と比較しても、明らかにエドガー・ライト作品
の方が見やすいし大衆が楽しめる作りになっているのは明白だ。
もしや、エドガー・ライト作品の
影響を受けているのではあるまいか？
まあ、自分ならエドガー・ライト作品の方を強くお勧めするのだが。

他の方からの指摘があったように、エヴァンゲリオン
の影響も受けていると思われる。
その詳細については、他の方のレビューを見てほしい。

サイケデリックなものを見たい方、一風変わった
ミュージックビデオを見たい方なら、楽しめるのでは
ないだろうか。内容重視の方は無理してみる必要はないだろう。