Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
【6/24最終話を見て追記】これは異世界から受け継いだ輝かしい名前と競争能力を持つ"ウマ娘"が遠い昔から人類と共存してきた世界の物語。
この作品の原作ゲームは未プレイですが、放送を心待ちにしていた作品でした。
何故なら私が毎週競馬場に通っていた頃というのが、この作品に登場したスペシャルウィークやサイレンススズカなどの競走馬が活躍していた時だったからです。
毎週金曜日に発売される競馬新聞とにらめっこしながら、どの馬がくるかを予想する…
レースに賭ける金額は予め決めていたので、私にとって競馬とはギャンブルというより自分の考えに投資する、という位置付けでした。
嬉しさや悲しみ…色々ありましたが、今となっては全てが懐かしいです。
鳴り響くファンファーレ…手拍子とともに歓声があがり舞台の熱気は最高潮に…
ゲートが開き、一斉に飛び出しゴールを目指して突き進む競走馬たちに、私も馬券を握りしめながら歓声を送っていましたっけ…
そんな若かりし頃を思い出させてくれる作品でした。
物語は至ってシンプル…
主人公であるスペシャルウィークが競走馬になるため上京し、母親と交わした「日本一のウマ娘」を目指して奮闘していく物語です。
そしてこの物語が面白いのは、基本的に史実に忠実な点でありながら、当時の競馬ファンが望んでやまなかった世界線とが交錯しながら展開する点と、競走馬の擬人化により感情が露わになっている点だと思います。
基本的に史実に忠実な点…
例えばスペシャルウィークが人の手によって育てられた点や、レースの戦績などが挙げられますが、当時スペシャルウィークは体重増で苦しんだ時期がありました。その体重の変化を見事なまでに作品に溶け込ませているから制作陣には恐れ入るばかりです。
当時の競馬ファンが望んでやまなかった世界線…
これは是非本編でご確認頂きたいと思います。
私にとって当時あまりにもショッキングな出来事でしたから…
競走馬への愛と優しさを感じずにはいられない展開に、私の涙腺は全く抵抗できませんでした。
感情が露わになっている点…
「勝ちたい」という思いを競走馬が持っているかは分かりません。
けれど、並走されたら前に出ようとする点からも勝負魂のような感情は持っているんだと思います。
この作品のもう一つの面白い点でもあるのですが、レースの熱さが半端ないんです。
レースは孤独ですし、勝ち負けを分けるのは自身の頑張りにほかなりません。
でもそれだけじゃないんですよね…
一緒に…同じ方向を向いて切磋琢磨する仲間がいるから…その仲間が背中を押してくれるから頑張れるんですよね…
この作品はそんな仲間との絆をキチンと表現してくれています。
公式HPでは、主要登場ウマ娘が紹介されているのですが、その紹介が実に的を得ている上、否が応でもこの作品の面白さを助長してくれています。
以下に紹介させていただきます。
スペシャルウィーク:めざせ、日本一のウマ娘。
サイレンススズカ:スピードの向こう側へ。
トイカイテイオー:夢は無敗の三冠ウマ娘。
エルコンドルパサー:世界を駆ける怪鳥。
グラスワンダー:稀代のワンダー・ウマ娘。
セイウンスカイ:青空を往くトリックスター。
ウォッカ:常識破りの女帝。
ダイワスカーレット:緋色の女王。
ゴールドシップ:黄金色の不沈艦。
メジロマックイーン:主演の座は譲れない。
どのウマ娘もしっかり前を見据えていて格好良過ぎなんですけどっ!
他にもシンボリルドルフやナリタブライアンなど往年の名馬が「これでもかっ!」というくらい登場してくれます。
時間軸は史実とズレはありますが、気になるどころかむしろウェルカムです。
競馬から離れて久しいですが、久々に競馬の熱さを感じることが出来たことを嬉しく思います。
アニメーション制作はP.A.WORKSなのでしっかり動いていますし、何より展開の熱さが堪りません。
中盤以降…毎回目頭が熱くなりましたよ。
終盤のレースなんか、もう何度見返したことか…
今期のダークホースと言える作品だと確信しています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは「Make Debut!」
エンディングテーマは「グロウアップ・シャイン!」
どちらもウマ娘たちが歌っています。
作風に合った気持ちの良い楽曲だったと思います。
1クール12話の物語でした。
私にとって最後の最後まで気持ちを盛り上げてくれた作品でした。
「時は流れて」以降のくだり…
アニメならではの醍醐味なのではないでしょうか。
これがあるからアニメは最高なんですよね。
【6/24最終話を見て追記】
最終話のタイトルは「EXTRA R」
私はてっきり12話のED後のCパートがそれだと思っていました。
出走ウマ娘一覧は「東京EX」となっていましたし、何よりEXを実現させること自体が私の発想にはありませんでしたから…
だって、出てくるのはそれぞれの時代を風靡した名馬ばかり…
だから実際に走らせたら収拾がつかないばかりか、名馬の歴史に傷をつけてしまう…と思っていたんです。
それに、これまでの物語の展開から見て綺麗に纏まったと思っていたので…
そしたら続きがあったなんて…
12話までしか視聴していないにも関わらず、この作品のレビューを「見終わった」にしてしまいました。
ここに訂正させていただきます。
13話を視聴して思ったこと…
レースの展開は別にして、あの名馬が一同に介したらこうなるんだ…を見せて貰えたと思っています。
12話で終わらせず、夢の様な13話を制作してくれたスタッフ陣に感謝です。
最後に、この作品の放送中にスペシャルウィークとテイエムオペラオーが他界されました。
謹んでお悔やみ申し上げる共に、ご冥福をお祈りいたします。