STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
成長アルバムを見ているような
原作は未読。
まず、りんが可愛い。この可愛さはアニメによくある
デフォルメされたキャラの可愛さではなく、リアルな子供の
可愛さに近い。この辺は声優の松浦 愛弓さんが本当に子供で
あることも大きなような。
作品内の時期はおそらく2年ぐらいのものだろうが、子供の
成長は早く、2年の間でもりんが成長していく様がよく判る
ように描かれている。視聴者である自分もりんちゃんが成長
していく様がなんか嬉しくて、気分はほとんど大吉だった(笑)。
思わず子供が欲しくなるような作品だが、ここまで容姿が
可愛くて、性格が素直でいい子は早々できないような(笑)。
成長と言えば、大吉もそう。通常、男から夫へ、そして
父親へと段階を踏んでいくのだが、突然父親になってしまった
大吉が子育てに戸惑いながら、次第に父親として成長していく
過程がよく見て取れる。
基本ハートウォーミングなエピソードが続いていくが、
それだけでなくて優しい空気感のオブラートに包みながらも
現代における育児、結婚、出産、仕事などの問題点が提議
されていて、結構考えさせられる要素があった。
決してみんな全てにおいてハッピーなわけじゃないんだよね。
大吉はやり手の営業マンだったみたいだが、りんとの生活の
ために自ら残業のない部署に異動を願い出た。これは
サラリーマンとしては出世を諦めたわけで、収入減は必然。
コウキママにしても、おそらく望んで母子家庭をやっている
わけではないだろうし。
夫の家族との折り合いが悪く、家庭内で孤立している春子。
りんの実母である正子も漫画家としてやっていくために
りんを捨てたが、まったく心残りがないわけではない模様。
カズミも結婚が決まりながらも、子供を得ることは自分が
犠牲になることと捉えているし。
みんな何かを得るために、別の何かを犠牲にしている。
作画はオーソドックスなものだが、アバンにおける水彩
画風のタッチが印象的。冒頭で絵本を見るような感じで作品に
入っていけた。